2022 Fiscal Year Annual Research Report
Anthropological Study of Ethno-Knowledge and Its Publicity in Myanmar
Project/Area Number |
17K03283
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高谷 紀夫 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 名誉教授 (70154789)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ミャンマー / 民族知 / パブリシティ / 人類学 / シャン |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4(2022)年度は、本研究計画の最終年度である。本研究の主目的は、多民族国家における多様な「民族知」の共存の動態を、パブリシティの視角から、ミャンマーを事例として人類学的に明らかにすることであった。 新型コロナウィルスのパンデミックと、ミャンマーで勃発した軍事クーデターの影響で、海外渡航は令和元(2019)年末が最後となり、以降は現地研究者とのメールなどによる分析結果の共有と意見交換、および国内研究協力者との分析結果の検証などを重ね、総括分析を深化させた。 補助事業期間全体の研究実績の概要は次の三点である。第一に、ミャンマーの代表的な民族的マイノリティであるシャンの「民族知」に関する民族誌的蓄積に貢献したこと。第二に、「民族知」集積と表出の母体である少数民族団体と交流を重ね、そのパブリシティの現代的位相を明らかにしたこと。第三に、マジョリティ的立場にあるビルマ族、仏教、ビルマ語が優越する文脈を再確認し、「民族知」の構築と再構築の過程と結果に着目して、多民族国家における複数の「民族知」の共存の動態を分析し、その関係性を実証的に明らかにしたことである。 なお研究成果の一部は、論文"An Anthropological Study of Myanmar's Shan Knowledge-Based Organization"としてまとめ、Conference Proceedings: Anthropological Studies of CBO and NGO Activities in Myanmar (2022年12月)106-125頁に所収され、また令和5(2023)年6月にスイス・チューリッヒ大学での国際ビルマ(ミャンマー)学会で、Shan Construction of Knowledge: Its Past and Presentとして発表予定である。
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Research Products
(2 results)