2021 Fiscal Year Research-status Report
生理用品の受容によるケガレ観の変容に関する文化人類学的研究
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17K03284
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
新本 万里子 国立民族学博物館, グローバル現象研究部, 外来研究員 (60634219)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 月経 / 生理用品 / 月経衛生対処 / 保健 / 出産 / パプアニューギニア |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、新型コロナ感染拡大による延長申請をして2年目の年度であった。本来であれば、最終年度として補足調査を実施し成果発表に努めたいところであったが、本年度も補足調査を実施することはできなかった。そのため、研究成果の発表に注力した。 研究成果の発信は、次のとおりである。2021年11月:国際開発学会第32回全国大会での研究発表(金沢大学:オンライン参加)。2022年1月:総合地球環境学研究所「第4回 女性のサニテーション研究会」への参加と研究発表(総合地球環境学研究所:オンライン参加)。2022年3月:第39回日本オセアニア学会研究大会での研究発表(オンライン開催)。2022年3月:82nd Annual Meeting of the Society for Applied Anthropologyでの研究発表(Salt Lake City, UT:オンライン参加)。これらを通して、月経対処の変化を、社会による女性の生殖力の管理とその変化という観点から捉えることができると考えている。 なお、2022年6月刊行予定の共編著の編集を進めている。研究実施計画では、世界各地の月経対処の比較研究を行うことを最終的な目的としている。現在、月経は国際開発の対象となり、途上国には月経衛生対処という開発支援の波が押し寄せている。また、先進国でも「生理の貧困」という社会的課題が話題となっている状況にある。共編著の出版によって、比較研究の目標を達成したいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究成果の発表は進めているが、補足調査を実施できないまま本年度を終えることとなった。これまで収集した資料の整理から、補足調査は必要だと考えている。補足調査が実施できていないという現状から、進捗状況の区分を選択した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は補足調査を実施したいと考えている。また、日本文化人類学会研究大会での分科会の実施、国際学会での研究発表、共編著の出版を予定している。 研究を遂行する上で課題となるのは、新型コロナ感染拡大による海外への渡航の難しさである。新型コロナの感染拡大の状況によっては、補足調査を中止、国際学会・国内学会での発表はオンラインに切り替えることで対応する。
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Causes of Carryover |
今年度は、補足調査と国際学会・国内学会での研究発表にかかる旅費を見込んでいたが、新型コロナウィルス感染拡大の影響により、どちらも実施できなかった。そのため、次年度使用額が生じている。 コロナ感染拡大の状況によるが、次年度は、補足調査の実施と国際学会・国内学会での研究発表を行いたい。それらの旅費として使用する計画である。
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