2021 Fiscal Year Research-status Report
複数社会の華人女性にみる「衣装」と「化粧」―女性性と社会性の仕立て方
Project/Area Number |
17K03292
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Research Institution | University of the Sacred Heart |
Principal Investigator |
謝 黎 聖心女子大学, グローバル共生研究所, 客員研究員 (30424295)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 華人女性 / 旗袍(チャイナドレス) / 民族衣装 / ジェンダー / 身体 / 化粧 / アイデンティティ / 社会性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、華人女性の衣生活と化粧文化に焦点を当てることにより、過去1世紀半にわたる中国内外の華人社会における「女性性」と「社会性」との関わり方を探ることである。研究計画第5年目にあたる令和3年度は、研究テーマに関するファッション・ 民族衣装・ジェンダー・身体・化粧などの資料を収集し、関連文献との突合せを行った。文献調査を通して、本研究の社会的背景や先行研究などを把握し、問題意識を再確認した。新型コロナウイルスのため、現地調査は難しくなったが、オンライン研究会に参加し、日本国内外の研究者との意見交換を行った。具体的に、①衣装と化粧の役割について、化粧文化ネットワークに参加し、さまざまな視点から研究者や現場の方々と意見交換を行った。女性性・化粧・民族服/伝統服との関わり方について整理した。②台湾の華人社会と旗袍の役割、マレーシア華人が考える旗袍の歴史性とファッション性などについて整理した。③貴州の苗族女性の旗袍着用実態について、オンラインでのインタヴュー調査などを通して、現地の方に話を聞き、補足調査をした。国際服飾学会2021年度第1回研究会(2021.7.31オンライン)にて、「なぜ、漢服は右衽にこだわるか―中国服飾文化にみる右と左の象徴性」と題して研究発表を行った。前年度に国立民族学博物館の外来研究員となり、民族衣装をめぐる交渉や競争についての民族誌資料を調べ、報告書のまとめに当たって新たな視点を得ることができた。今年度4月から聖心女子大学グローバル共生研究所の客員研究員となり、「美か束縛か―纏足・コルセットの歴史と#KuToo運動」の展示企画にかかわり、これまでの調査結果の一部を展示することになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度に引き続き、関連文献を収集するとともに、現地調査の結果をふまえた上で、さらに研究課題に沿って具体的に調査していく。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの調査データを整理し、研究報告書の大まかな章立てを作成し、調査の構造化を行う。新型コロナウイルスの状況を見て、現地調査を実施する日程を決める。現地調査で得られた情報を加味しつつ、最終調査計画を確定する。10月には、研究報告書の章立てを確認し、年度末の1~2月の2ヶ月を報告書の全体構成を比較の観点で作成し、執筆を進める。3月の報告書の完成を期す。5月あるいは6月、日本文化人類学会研究大会にて研究の進行とこれまでに得られた成果に関し発表する。研究期間中に収集した衣装資料に関して、公開を前提にした管理体制を確立し、実物の保存場所を申請者の所属する組織内の研究所として、自他による将来の研究のために開く。令和3年度から所属する聖心女子大学グローバル共生研究所にて纏足の展示会を行い、纏足を通してみた女性とジェンダーの問題を提起する企画である。
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Causes of Carryover |
本研究は東・東南アジアでの現地調査を軸とするものであり、華人が住む都市部および市の周辺地域への旅費・宿泊費が生じる。 本年度は国内外の新型コロナウィルス感染流行のため、日本からの渡航注意勧告などもあって、中国ほかの国における現地調査を執行できず、文献調査に従事した。しかし、研究目的を達するためには、短期ではあっても現地調査による資料の補充が必要である。残額はそのための旅費と宿泊費に充てる予定である。
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Research Products
(1 results)