2022 Fiscal Year Research-status Report
複数社会の華人女性にみる「衣装」と「化粧」―女性性と社会性の仕立て方
Project/Area Number |
17K03292
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Research Institution | University of the Sacred Heart |
Principal Investigator |
謝 黎 聖心女子大学, 現代教養学部, 非常勤講師 (30424295)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 華人女性 / 旗袍(チャイナドレス) / 民族衣装 / ジェンダー / 身体 / 化粧 / アイデンティティ / 社会性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、華人女性の衣生活と化粧文化に焦点を当てることにより、過去1世紀半にわたる中国内外の華人社会における「女性性」と「社会性」との関わり方を探ることである。コロナ禍による延長のため研究第6年目にあたる令和4年度は、ファッション・ 民族衣装・ジェンダー・身体・化粧などの資料を収集し、関連文献との突合せを行った。文献調査を通して、本研究の社会的背景や先行研究などを広範囲に追究し、問題意識を再確認した。コロナ禍での諸制限のため現地調査は難しくなったが、オンライン研究会に参加し、日本国内外の研究者との意見交換を行った。 具体的には、①衣装と化粧の役割について、化粧文化ネットワーク研究会に参加し、さまざまな視点から研究者や現場の方々と意見交換を行った。女性性・化粧・民族服/伝統服との関わり方について整理した。また、歴史の中のジェンダーとセクシュアリティについて討議した。②装いの境界領域をめぐる人類学的研究(南山大学人類学研究所)の共同研究プロジェクトに参加し、ファッションショー、舞台演出、民族村のショーなどを通して、身体性と政治性、差異と同化、境界の生成と無化といった観点から「衣を身にまとうこと」の意味作用を検討した。また、中国のエスニック・ファッションの事例を通して、装いの揺らぎと再構築―民族集団の「境界」の表し方について追究した。③貴州の苗族女性の旗袍着用実態について、オンラインでのインタヴュー調査などを通して、現地の方に話を聞き、補足調査をした。国際服飾学会2022年度第2回研究会(2023.3.4オンライン)にて、「中国少数民族の髪型と頭装飾にみる集団間の境界」と題して研究発表を行った。また、北京の学術会議「衣冠崇礼―2022経学与服飾学術研討会議」(2022.12.17)に参加し、中国国内の研究者たちと交流した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度に引き続き、関連文献を収集するとともに、日本国内外の研究会に参加し、現地調査の結果をふまえた上で、最終的に報告書をまとめる方向性を確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの調査データを整理し、研究報告書の大まかな章立てを作成し、調査の構造化を行う。2023年の6月、日本文化人類学会研究大会にて研究の進捗とこれまでに得られた成果を報告する。8月から9月にかけて現地調査を実施する。現地調査で得られた情報を加味しつつ、最終年度調査計画を確定する。10月には、研究報告書の章立てを確認し、年度末の1~2月の2ヶ月を報告書の全体構成を比較の観点で作成し、執筆を進める。3月の報告書の完成を期す。
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Causes of Carryover |
本研究は東・東南アジアでの現地調査を軸とするものであり、華人が住む都市部および市の周辺地域への旅費・宿泊費が生じる。 本年度は国内外の新型コロナウィルス感染流行のため、日本からの渡航注意勧告などもあって、中国ほかの国における現地調査を執行できず、文献調査に従事した。しかし、研究目的を達するためには、短期ではあっても現地調査による資料の補充が必要である。残額はそのための旅費と宿泊費に充てる予定である。
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Research Products
(4 results)