2019 Fiscal Year Annual Research Report
Research on the recognition of environmental change and its influence on the process of merrior construction in coastal societies
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17K03303
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Research Institution | Osaka Shoin Women's University |
Principal Investigator |
濱田 信吾 大阪樟蔭女子大学, 学芸学部, 准教授 (00734518)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 食の人類学 / テロワール / メロワール / 沿岸漁業 / 水産業 / 環境変化 / ニシン / 北海道 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成31・令和元年度は、当初研究計画にもとづき、研究成果をまとめることを目標とした。具体的には、(1)国際学会における研究発表と海外研究者との意見交換、(2)査読付き論文の執筆と発表を通じた研究成果の国際的発信、そして(3)現地調査協力者への研究結果の報告と今後の研究展開に向けての協力依頼を目標とした。 春から夏にかけては、これまでの北海道調査で収集したポストカードを含む近現代の環境変化の理解に繋がりうる資料の整理に務めた。9月には調査地の一つを再訪し、聞き取り調査の実施と在地研究者からの助言を受けて、研究成果の取りまとめに着手した。これまではニシンを中心とした資料収集を行ってきたが、他漁業対象種に関しても、漁獲物の品質と味への環境変化の影響に関するデータを得た。漁業者からは、特に近年の集中豪雨などによる陸地河川からの土砂流入と、それによる沿岸海域の水質の変化が漁業活動に影響を与えたことや、漁獲量や漁獲地域の変化についてデータを得ることができた。しかし、2月末より予定していた最終の実地調査は、新型コロナウィルス感染拡大により中止となった。 研究成果の発信については、6月に開催された国際学会においてセッションを発案、座長を務めたセッションを代替企画として実施した。また、8月にも大韓民国で開催された国際学会に参加し、日本におけるニシンの環境史を中心とした報告を行った。研究報告発表は、英文査読論文2件の執筆を終えた。投稿原稿は修正ののち受理され、2020年度中に刊行される予定である。 理論的考察や発展は十分に達成したとは言い難いが、特に、海の味(メロワール)研究に関しては、国際的にもまだ事例数は少なく、魚食や水産とともに発展してきた日本から学際的かつ国際的な食学研究の発信を、国際学会での発表を通じて行えたのではないかと考える。
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Research Products
(8 results)