2018 Fiscal Year Research-status Report
観光におけるミドルマンの関係構築と他者イメージ形成に関する研究―対馬を中心に
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17K03305
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Research Institution | University of East Asia |
Principal Investigator |
中村 八重 東亜大学, 人間科学部, 客員研究員 (00769440)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 観光 / 対馬 / 韓国 / ミドルマン |
Outline of Annual Research Achievements |
2年目は初年度と同様に対馬と下関の現地調査を行い研究を進めた。加えて釜山における朝鮮通信使行列再現事業に関する調査を行った。概ね対馬ではますます増加する韓国人観光客に対応するために観光をめぐるさまざまな事業が拡大しているが、韓国からの定期船の入港数が異なる二つの地域における環境的差異に起因した問題意識と他者認識の差異が顕著に感じられた。特に観光客数の流入が急増した地域における聞き取り調査では、日本韓国の相互イメージのふり幅が大きい傾向がみてとれた。島外からの観光業への参入者数にも違いがあり、地元の業者との関係が良好であるといったような、好意的に地元に受け入れられている韓国人の存在の多さが相互に他者イメージ形成に影響を与えていると考えられる。一方で韓国人との共同事業にトラブルを抱える地元事業者は葛藤も感じていた。こうした個々の事例の積み重ねを経てミドルマンの影響を総合的に描くことが重要であると考える。また、下関においては、在日コリアンは観光事業や朝鮮通信使行列を中心とした日韓交流事業に大きな影響力をもつとは言い難いが、継続的に交流に関与し、立場を模索し続けている。これに対して、対馬では韓国人観光客と韓国人住民の増加を受けて民団が再組織されたことは注目に値する。対馬でも行われてきたような朝鮮通信使行列関連の祭りを巡る釜山の団体との長年にわたる文化交流と、観光を背景にした交流、そして対馬におけるようなニューカマーの韓国人の定住がいかなる交錯を見せるのか今後検討する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対馬におけるミドルマンとしての韓国人観光業者や地元の人々、そして島外からの移住者などの各方面への聞き取り調査が実施できた。下関における在日コリアン、釜山における日韓交流団体への調査なども含め概ね順調に進展していると考えている。特に対馬では日に日に変化する観光の状況と民団という新たなアクターの登場による影響力に注目して研究を進展させていく計画である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果を踏まえて計画通りに研究を進める。今後はホスト社会におけるゲストイメージの形成におけるミドルマンの存在の影響と地域の特性の交差点、そして多様化したミドルマンに対する個別的な調査を進め、観光における他者イメージ形成の理論構築に向けて調査研究を継続する。
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Causes of Carryover |
計画通りの使用に加え図書購入を行う。
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