2021 Fiscal Year Research-status Report
天然記念物保護から自然保護へ──日独における自然保護法発展過程の比較研究
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17K03317
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
西村 貴裕 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (70367861)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 自然保護 / 天然記念物 / 国立公園 / 郷土保護運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度も引き続き、ドイツにおける自然保護制度発展の起点となった天然記念物制度の成立史について、さらにこれと郷土保護運動との関連についての研究を進めた。論文の草稿も書き進めている。日独における現在の制度の違いを歴史学的に説明しうる研究であり、環境史・法制史・さらには現代の自然保護論に対しても、若干の寄与が期待されるものと考えている。しかしやはり昨年度と同様、コロナウィルスを原因とする渡航制限によって詰めの史料収集を行うことができなかった。さらに、2022年度に所属を変えることとなり、その準備に時間をかける必要があったため、思うように論文を完成まで持っていくことはできなかった。以上の理由より研究期間の延長を申請し、認められた。 とは言っても成果をまったく挙げなかったわけではない。近日中に公表される予定の「日本環境史ハンドブック」(英語)への寄稿を依頼されたため、日本の国立公園史にかんする一章を執筆した。この章は以前に科研費の補助を受けて執筆した「国立公園の軍事化」についての論文をベースに、本科研費での成果である日本における天然記念物制度の成立と自然保護制度発展との関係についての論文を関連させて、英語で紹介するものである。日本の国立公園制度・自然保護制度の歴史について従来論じられることの全くなかった姿を描き出しており、またこれを英語にて世界の読者にも紹介するものであるため、大変有意義なものであると自負している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
パンデミックの状況が最大の要因である。必要なドイツへの資料収集を、2019年度以降実施することができない。さらに2022年4月に所属を変えることとなったことも影響している。
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Strategy for Future Research Activity |
必要なドイツへの資料収集旅行をいつ行うことができるか不透明であり、推進方法を明示することができない。二次文献やこれまでに収集した資料をすべて消化したとは言えないので、それらを引き続き進める予定である。2022年度も新しい所属先に適応するために時間を費やす必要があり、思うように研究を進めることができない。しかし可能な限り研究課題を進めるし、研究期間の終了後ももちろん研究を継続し、当初設定した課題は必ず完遂する。
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Causes of Carryover |
パンデミックの影響により、計画していたドイツへの資料収集旅行を実施できなかった。
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