2021 Fiscal Year Research-status Report
Customary Law in the mixed legal system
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17K03322
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
松本 英実 青山学院大学, 法学部, 教授 (50303102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
葛西 康徳 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 準研究員 (80114437)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ミクスト・リーガル・システム / 混合法 / 慣習法 / ヘンリー・メイン / 古代法 / William Grigsby / historical jurisprudence / 比較法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ミクスト・リーガル・システム(混合法)の方法論を用いて、わが国の従来の慣習法論を批判的に検討し、これを通じ日本法の比較法的再定位を行うことを目的とする。西洋法以外の要素として指摘される「慣習法」の総合的再検討によって、日本法自体の位置づけを内外の研究者・実務家に示し、グローバル化におけるミクスト・リーガル・システム論の新たな展開に貢献することを意図している。 本年度の研究においては、Henry Maine(『古代法』、historical jurisprudence)を媒介として、明治期に法学教授として来日したウィリアム・グリグスビーWilliam Grigsbyの慣習法の捉え方を探求し、国際研究会において研究代表者と研究分担者による共同発表を行った(William Ebenezer Grigsby (1847-1899)---a pupil of Sir Henry Maine and a forerunner of the Mixed Legal System)。これによって、第一に、「古代法」アプローチを通じて、Maine, ボギシッチBogisic(モンテネグロ一般財産法典起草者)、ボワソナード(日本旧民法起草者)、グリグスビーを結ぶ比較の視座が得られ、第二に、日本法をミクスト・リーガル・システムととらえたうえでその比較対象を開拓するという本研究の方法論が深化し(グリグスビーを通じてエジプト、キプロスが視野に入ってくる)、第三に、慣習法を法典化する問題に対するシヴィル・ロー(大陸法)とコモン・ローの法律家の双方からの視点において検証を行うことが可能となった。本研究を総括するために重要な視点と方法が獲得できたと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年は予定していた国際研究会を対面で行うことができず、やむを得ずリモートで行うこととなった。現地での意見交換とは異なるものの、内容上の重要な進展はあり、最終的な研究成果の発信に向け、大きな意味を持った。以上に鑑み、予定通りのタイムスケジュールではないものの、研究期間を延長したことに比例した研究の深化を見ており、全体としておおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
慣習法を中心的テーマとし、スコットランド、イングランド、南アフリカ、モンテネグロ、フランスを日本との比較対象に据え、古代法を参照し媒介とする方法を特徴とする、新しいミクスト・リーガル・システム論をまとめることを目標とする。 最も適切な公表方法を吟味したうえで総括的な成果発表を行いたい。
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Causes of Carryover |
コロナ禍による渡航制限があったため海外における国際研究会への参加ができず、そのため次年度使用額が生じた。海外に向けて発信する方法を精査し、成果発表のために残余額を用いる計画である。
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[Journal Article] ギリシア教2021
Author(s)
ロバート・パーカー著、葛西康徳訳・解説
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Journal Title
葛西康徳・ヴァネッサ・カッツァート編『古典の挑戦』
Volume: -
Pages: 463-491
Int'l Joint Research
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