2018 Fiscal Year Research-status Report
公共施設法制の立法論的限界に関する研究―解釈論的考察と比較法的考察を踏まえて
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17K03345
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
木村 琢麿 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 教授 (40234364)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 公共施設 / 公物 / 財政 |
Outline of Annual Research Achievements |
公共施設法制に関する解釈論と立法論について,前年度に引き続いて考察を行った。まず,公共施設のうち,港湾については,フランスのパリ第5大学において,津波対策を含めた港湾施設の維持管理に関する学会報告を行った。また,公共施設の整備運営に関する法制度を概観し,立法論的な課題を含めた考察を行ったものとして,論文「公共施設の整備・運営に関する法整備」を脱稿した。さらに,国家賠償法2条1項にいう「設置又は管理の瑕疵」に関する判例と学説の状況について,網羅的に分析を行う解説を執筆した。あわせて,ナント大学における学会報告をもとに,土地収用における原告適格について日仏比較に基づく考察を行った仏語論文を公表した。他方,公共施設に関する財政統制を含めた財政的な諸問題については,韓国における学会報告をもとに,論文「日本における財政政策と財政統制――フランス法の比較を交えて」を公表した。同じく財政規律については,比較憲法学会における報告をもとにした,論文「フランスにおける財政規律と憲法――財政均衡に関する制度を中心に」を公表した。また,トゥール大学における学会報告をもとに,公務員の個人責任に関する仏語論文を公表した。さらに,日本公法学会において「行政における効率性原則――行政判例を素材とした一考察」と題する報告を行い,公金管理と財産管理の双方に関する日仏判例の分析し,この観点から公共施設に関する諸問題を取り上げている。このほか,公共施設法制における損失補償と接点をもつ,公害健康被害の補償等に関する法律の解釈が争われた最高裁判決について,判例評釈を公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
公共施設に関する解釈論および立法論を継続的に考察し,その成果を公表している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,公共施設に関する解釈論と立法論の考察を行う。
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Causes of Carryover |
平成30年度に購入できなかった書籍等の購入を行う予定である。
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