2019 Fiscal Year Research-status Report
公共施設法制の立法論的限界に関する研究―解釈論的考察と比較法的考察を踏まえて
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17K03345
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
木村 琢麿 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 教授 (40234364)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 公共施設 / 公物 / 財政 |
Outline of Annual Research Achievements |
公共施設のうち,本研究の中心的な考察対象となる港湾については,港湾運営会社制度に関する法改正と運用上の問題点を考察した論考「港湾運営会社の生誕と運用を振り返って――国際コンテナ戦略港湾政策を中心とした回顧と展望」を公表した(港湾2020年3月号)。また,行政の効率性という観点から,公共施設の管理運営のあり方を含めた検討を行ったものとして,「行政における効率性の原則――行政判例を素材にした一考察」を公表した(公法研究81号)。これは,公共施設法制の研究と財政法的研究を結合させる試みのひとつでもある。さらに,公共施設の整備運営に関する法整備の状況について概観し,フランス法との比較に基づく考察を踏まえて,立法論的な方向性をも示す論文として,「公共施設の整備・運営に関する法整備」を公表した(行政法研究30号)。このほか,公共施設の使用関係に関する判例評釈として,「都市公園法5条1項に基づく管理許可の更新拒絶に対する損失補償請求が否定された事例」を公表し,この論点に関する現行法の問題点と判例解釈の方向性を示した(地方財務2019年4月号)。また,公害健康被害の補償等に関する法律に基づく障害補償費支給と企業の損害賠償責任の関係に関する判例評釈を公表し(ジュリスト増刊平成29年度重要判例解説),財政法的な観点から関連領域の考察をするための方法論を含めて検討を行った。これらと並行して,国内外の公共施設に関する調査を継続するとともに,外国語論文の公表に向けた作業を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
関連する論文等を公表または公表予定であり,最終年度の取りまとめに向けた作業を行っているため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の取りまとめに向けて,解釈論と立法論の双方に関する考察を継続する。
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Causes of Carryover |
研究遂行のための資料・機材の一部について,購入が遅れたことによるものであり,次年度の前半においてそれらの購入を予定している。
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Research Products
(4 results)