2019 Fiscal Year Annual Research Report
A Comparative Study of Principles of Administrative Law in East Asia
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17K03371
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
蔡 秀卿 立命館大学, 政策科学部, 教授 (00262832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尹 龍澤 創価大学, 法務研究科, 教授 (50151767)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 法治 / 法律による行政の原則 / 比例原則 / 信頼保護の原則 / 平等原則 / 明確性の原則 / 適正な手続の原則 / グロバールな行政活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度の2019年度は、研究成果の発表として、6月1日比較法学会でミニ・シンポジウム「東アジアにおける行政法の基本原則の比較研究」を開催し、日本、台湾、韓国および中国の行政法、行政法の基本原則について報告を行った。日本行政法の基本原則について、グローバル化を軸にしてグローバル化で形成された秩序が及んでくるという共時性と、各国固有の歴史という通時性との複合状態を分析することを通じて、行政法の基本原則を解明した。台湾行政法の基本原則について、台湾行政法の基本原則がどのように行政法の生成と展開の中で展開してきたか、とりわけ社会ないし統治システムの民主化がどのように行政法の基本原則ないし行政法の発展に影響を与えてきたかを紹介し、台湾行政法・行政法の基本原則の特徴を示した。韓国行政法の基本原則について、韓国行政法の基本原則がどのように憲法訴訟および行政訴訟を通じて具体化してきたかを分析した。中国行政法(本研究では民主集中制行政法という)の基本原則について、中国行政法がどのように行政法とともに生成したか、また変遷してきたかを概観し行政法の基本原則をめぐる学説の状況を一瞥し中国行政法の特徴を示した。以上の成果は「比較法研究」81号(2019年)に掲載されている。 3年間実施した研究成果について、『東アジアにおける行政法の生成と展開―基本原則の比較研究及び共通原則試論』(法律文化社、2020年)の刊行を予定している。本書では、国境を越えた行政活動を「グローバルな行政活動」と呼んで、東アジア・アジアにおいてもグローバルな行政活動が存在しておりそれを観念し、法的かつ民主的に統制する必要があるという問題意識の下で、日本、台湾、韓国および中国における行政法の基本原則を紹介・分析・検討したうえ、東アジアにおける行政法の基本原則の到達点およびグローバルな行政活動の共通原則の試論を示した。
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