2019 Fiscal Year Annual Research Report
A constitutional reserach on electional system in perspective globalizaiton and intergenerational-justice
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17K03372
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
植松 健一 立命館大学, 法学部, 教授 (90359878)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 憲法学 / 選挙制度 / 世代間公正 / ドイツの民主政 |
Outline of Annual Research Achievements |
少子高齢化に伴う世代人口比の不均衡が顕著になる中、税制や社会保障における世代間公正が問われている。こうしたことを背景に、「世代間公正」を踏まえた選挙制度のあり方が模索されているが、その意義と問題点の両面から憲法の規範論に即して考察するのが本課題である。 最終年度となる今年度は、主に以下の2点の課題に取り組んだ。 (1)当初は2年度目に予定していた「子ども選挙権(代理投票制)」「家族選挙権」に関して一定の公法学上の議論蓄積を有するドイツの議論を参照にするために、関連するドイツ公法学の文献や関連判例を読み、その沿革と今日の議論状況を整理・分析する作業を行った。その成果の一部をドイツの憲法判例研究のかたちで報告・公表している。より本格的な論稿は現在準備中であるが、2020年度内の公表をめざしている。 (2)過去2か年のドイツの選挙制度の検討の成果を踏まえ、日本の現状、とくに1994年に衆議院に導入された小選挙区比例代表並立制のもたらした日本の政治への功罪を、政治学・憲法学の知見に拠りながら、とくに「世代間公平」という視点も加味しつつ、分析を加えた。そこでは「政策本位・政党本位」を目指したはずの小選挙区比例代表制が、なぜそのような効果を果たせていないのか政治学の研究成果を参考としたうえで、憲法規範論的な評価を加えている。またその際の手がかりとしては、小選挙区比例代表並立制を合憲と判断した1999年の最高裁判決の論理構造にあると考え、同判決の読み直しを行った。その成果については、後掲の論稿の中で論じている。
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Research Products
(4 results)