2020 Fiscal Year Research-status Report
A considering the influence of Chilcot Report which verified Iraq War on the changing British Military Law
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17K03378
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Research Institution | Tsuyama National College of Technology |
Principal Investigator |
大田 肇 津山工業高等専門学校, 総合理工学科, 嘱託教授 (30203798)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | チルコット報告書 / 戦争犯罪 / 生命に対する権利 / Overseas Operations Bill |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度においては、「研究の目的」であるチルコット報告書の批判に内閣・議会がどのように対応してきたかの検証に関連するものとして、Overseas Operations(Service Personnel and Veterans) bill に注目してきた。この法案は、海外におけるイギリス軍の軍事行動において発生した犯罪に対する訴追の期間を5年に限定しようとするものであり、2020年3月に政府によって提出されたものである。これは、イラク、アフガニスタンにおけるイギリス軍兵士による犯罪の発生およびそれに関わる訴訟(ヨーロッパ人権条約にもとづくイラク人の「生命に対する権利」への侵害)への対応に苦しんできた政府が、その二の舞いを防ぐために考えたものである。 この法案の審議においては、イギリス軍の海外での軍事行動における法的枠組を巡り、特に「戦争犯罪」との関わりにおいて、軍事関係者からも批判の声が挙がった。 現在、この審議の過程とそれに関する論文等を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染への対応にかなりの時間を割かれ、研究時間が十分に確保できない状況の中、Overseas Operations(Service Personnel and Veterans) bill に関する資料の収集に継続して取り組んでいる。イギリスにおいても新型コロナ感染の影響は深刻なものであり、研究者たちの研究活動も活発とは言えない状態で、この法案に関する論文もさほど多くない。そうした状況で、この法案がイギリスの軍事法制においてどのような意味を持つものなのか、チルコット報告書との関係はどのようなものになるのか、考察を始めた段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度中に、本科研テーマの研究をまとめる。そのためには、Overseas Operations (Service Personnel and Veterans) bill を考察の対象として、チルコット報告書での指摘がどのように活かされあるいは無視されたのかを検証していく。 さらに、イギリス軍兵士による「生命に対する権利」の主張、戦争開始における議会関与の慣習を巡る議論が、「新冷戦」と言われ始めた国際情勢の変化の中で、どのように進展あるいは後退していくのか、注視していく。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染への対応の関係で研究の進行が遅く、それにともなって必要となる文献・資料等の収集も限定されたため、残額が生じた。2021年度での研究延長が認められたので、追加の文献・資料等の購入に充てる。
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