2021 Fiscal Year Annual Research Report
Mediacy, Enemy, and Neutrality: Carl Schmitt's theory of international law
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17K03399
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
西 平等 関西大学, 法学部, 教授 (60323656)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | カール・シュミット / 国際法 / 媒介性 / 敵 / 戦争法 / グローバルな内戦 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度には、得られた成果をもとに他の研究者との交流を行い、新たな研究の展開へと見通しを立てることが予定されていた。新型コロナウィルス感染症のため、期間を一年延長したが、感染状況は必ずしも改善しなかったため、当初予定していた対面での研究会を断念し、オンラインを中心とする交流を行った。 最終年度の成果の中心は、カール・シュミットの近代国際法批判を手掛かりとして、「処罰による平和、和解による平和――刑事法による武力紛争の克服は可能か?」と題する特集を『法律時報』(2021年6月号)誌上で組んだことである。国際法研究者のみならず、国際政治・刑事政策の研究者の参加も得て、個人責任を基軸として武力紛争法を構成することの意義と限界を多面的に問うことができた。 シュミットの規範理論・秩序思想についての研究を土台として、グローバル法研究の可能性を模索した一年でもあった。その成果としては、モノグラフとして西平等『グローバル・ヘルス法--理念と歴史』(名古屋大学出版会、2022年)を公刊したほか、『法律時報』2022年4月号において「グローバル法vs国際法――国内における実現の場面から」と題する特集を組み、グローバル法の理論的可能性を検討した。この特集では、「国際法史におけるグローバル法理論の可能性――一元論・二元論の原意について」と題する論文を西が執筆している。また、この特集に結実した研究を遂行するにあたっては、8回にわたる研究会を開催し、西のほか、小畑郁氏(名古屋大学)・松田浩道氏(国際基督教大学)・島村健氏(神戸大学)・齊藤正彰氏(北海道大学)・齋藤民徒氏(関西学院大)・興津征雄氏(神戸大学)・菅原絵美氏(大阪経済法科大学)・田中謙氏(関西大学)・高田陽奈子氏(同志社大学)が報告し、グローバル法の理論的把握について検討を行った。
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Research Products
(7 results)