2019 Fiscal Year Research-status Report
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17K03416
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
柳澤 武 名城大学, 法学部, 教授 (70363306)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 解雇 / 退職勧奨 / ハラスメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度も、継続的な文献蒐集とリサーチを行った。蒐集した文献には、アメリカの雇用関係法や差別的解雇についての書籍が含まれる。国内調査では、九州大学附属図書館にて、休息権というコンセプトに関わる1930年代の希少なILO文献「Compulsory pension insurance : comparative analysis of national laws, and statistics」の調査を行ったほか、本テーマに関わる学会報告準備のための出張を行った。 主要な研究成果としては、2019年5月25日(土)に愛媛大学で開催された社会保障法学会での大シンポジウム「高齢者法からみる高齢者法特有の課題」における「雇用と法」の報告を担当した。同報告は、高齢者法研究会のメンバーと協同して行ったもので、シンポジウムでの議論を反映した論考が、学会誌に掲載された。同学会における質疑では、強制的な定年制度と自発的退職との関係など、本研究テーマに関わる討論が含まれていた。また、分社化に伴う出向時点における復職合意、年齢を理由とする退職勧奨やハラスメント、HIV感染を理由とする内定取消とプライバシー侵害など、テーマに関連する複数の判例評釈を公表した。とりわけ、これまではエイジ・ハラスメントという概念は認識されてこなかったところ、解雇の代替措置である退職勧奨の一形態としての検討を行った。 さらに、「ひろばユニオン」などの労働組合向け雑誌や「労働判例」といった専門雑誌において、研究成果の一端を分かりやすく説明し、社会一般への情報発信にも努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた調査や一定の研究成果を公表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
現在(2020年5月時点)は、研究のための機関が閉鎖され、海外渡航はもとより、国内の調査旅行も行うことができない。さしあたり、電子文献を中心とした地道な研究を続けることになろう。
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Causes of Carryover |
年度末の出張が、コロナウィルスの影響で中止となったため。 次年度の使用計画として、今後の事態を注視しつつ、遠隔で研究成果発表を行うための機器整備に充当することも検討している。
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