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2017 Fiscal Year Research-status Report

GPSテクノロジーを使用した犯罪者監視システムの我が国への導入可能性の検証

Research Project

Project/Area Number 17K03435
Research InstitutionKokugakuin University

Principal Investigator

甘利 航司  國學院大學, 法学部, 准教授 (00456295)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywords刑事法学 / 刑法学 / 刑事政策学 / 監視
Outline of Annual Research Achievements

もともと、GPSは軍事開発目的で開発されたものである。それが、カーナビ等の日常生活で使用されることとなった。興味深いことに、多くの人がこれを刑事法の領域(特に矯正の領域)で使用することは長い間考えてこなかった。そのような中で、2000年代の初頭に、GPSを利用した監視制度が考案された(GPS型監視)。これは当初から、性犯罪者に対する24時間型の監視を想定されていた。
次いで、2010年代からは、在宅拘禁の代替制度として、そして、未決拘禁の代替策として使用されることも散見されるようになった。その意味で、日本におけるGPS型監視の導入は、喫緊の課題となっている。ただし、性犯罪者に対する再犯防止効果については、懐疑的な立場が有力である。そして、未決拘禁の代替策としての利用においては、ネット=ワイドニング効果が指摘されている。その意味で導入に対しては慎重に見るべきであると思われる。
GPS型監視については、考案者はGPSを付加された対象者が違反をしたりすると、電流を流すなどして「罰・サンクション」を科すというシステムを示唆していた(つまり、監視だけにとどまらせない、ということである)。GPS型監視の現状での厳しい取り扱いには、実は、考案者が考えていたものと近いことが行われている。つまり、GPS型監視は、奇しくも、その当初のコンセプトが、存続しているということが分かった。
なお、GPS捜査について、最高裁大法廷が判断を示したこともあり、現状では、捜査法の領域ではあるが多くの議論がなされており、こういった議論が、本研究についても多くの影響を与えてくると思われる。例えば、GPS捜査によって得られた情報の蓄積とそれに伴う管理・使用に関する問題は、性犯罪者に対するGPS型監視でも議論されており、相互の横断的な分析が求められる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

現状では研究はおおむね順調に進展している。(GPS型監視を含む)電子監視の総合的な研究がドイツのマックス=プランク研究所にて公刊され、議論の見通しが良くなり、また、多いというわけではないが、GPS型監視の再犯防止に関する研究があり、本研究において非常に参考になっている。そして、最高裁判所が大法廷にて、GPSを利用した捜査が「強制処分性」をもち、立法上の手当てが必要である旨説いたことから(2017年3月15日)、GPSと刑事法との関係が盛んに議論されるようになり、本研究における議論が、同判例をめぐる議論との交流を可能とさせており、本研究はいわば追い風を受けている感じがする。
本年度末には大きい研究会にて報告の機会を得、そして次年度(2018年度)前期においては、電子監視における学会に参加することが確定しており、また、後期には学会での報告を予定している。

Strategy for Future Research Activity

2018年度は、海外で開催される国際会議(学会)に参加し、そして、(心理系の)学会にて報告をすることを予定している。また、年度末には、翻訳を紀要にて公刊する予定である。また、そのために、国内における研究会にて報告等をできるだけ行っていきたいと考えている。
2018年度もしくは2019年度中に、GPS型監視で得られた情報の蓄積と期間についての論文を公刊することを予定している。そのために、2018年度中にイギリスそしてスコットランドにおいて保護観察官の方及び研究者の方のご案内を受けながら調査をすることを予定している。また、できれば、アメリカにおける実施状況について実態調査を行いたいと考えている。

Causes of Carryover

学内での行政的な業務や授業負担の増加等により、海外での実態調査が困難になっている。そのため、本年度は調査としては、(旅費がかかる)国外調査は行うことができず、主に国内調査となっている。

  • Research Products

    (1 results)

All 2017

All Journal Article (1 results) (of which Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] 電子監視2017

    • Author(s)
      甘利航司
    • Journal Title

      犯罪社会学研究

      Volume: 42 Pages: 171-181

    • Open Access

URL: 

Published: 2018-12-17  

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