2019 Fiscal Year Research-status Report
重大非行事案防止のための多機関連携による非行少年等とその家庭への支援に関する研究
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17K03438
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小西 暁和 早稲田大学, 法学学術院(法務研究科・法務教育研究センター), 教授 (20366983)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 少年非行 / 少年警察 / 学校教育 / 児童福祉 / 少年保護司法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、重大非行事案防止のための多機関連携による非行少年等とその家庭への支援に関し研究を行っており、昨年度に引き続き第3年度も「①資料の収集」、「②実態調査」及び「③検討会の開催」を行った。 まず、「①資料の収集」に関しては、関連する国内外の論文や書籍等を収集し、その資料の整理・分析を行った。とりわけ本年度は、多機関連携による非行少年等とその家庭への支援の枠組みを形成する上で一つの土台となり得る「子供・若者計画」に関して重点的に資料収集を実施した。 また、「②実態調査」に関しては、「①資料の収集」で得られた分析結果なども踏まえながら、本年度も、多機関連携を積極的に実施しているオーストラリアにおいて開催された第4回世界保護観察会議に出席し同国の多機関連携の現状を把握するとともに、ニューサウスウェールズ州の関係機関(保護観察所(Community Corrections Office))での聞き取り調査などを実施した。また、来日されたニューサウスウェールズ大学キャロル・ローソン准講師との間で、オーストラリア(とりわけ、ACT(オーストラリア首都特別地域))における少年裁判所(Children’s Court)と児童相談所(Children and Youth Protection Service)の連携等について意見交換を行うことができた。ACTでは少年裁判所と児童相談所が連携し、児童相談所のケースマネージャーがリスクアセスメントツールを用いて作成した報告書を少年裁判所の審判に活用する形で、虐待部門と非行部門の連携が進み始めている点に特徴があるとのことであった。 さらに、「③検討会の開催」に関しては、上記「①資料の収集」や「②実態調査」を行う毎に研究協力者等も交えて実施し、それまでの研究内容を検討するとともに、今後の方向性について協議した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画調書において第3年度は、前半に第2年度までの調査で不足していた項目の補足を行うべく「補足調査」のみを行うものとしていた。これに関して、既に第2年度までに、神奈川(神奈川県・横浜市)、福岡(福岡県・北九州市・福岡市)、広島(広島県・広島市)、大阪(大阪府・大阪市・堺市)、京都(京都府・京都市)、新潟(新潟県・新潟市)、宮城(宮城県)といった先進的な多機関連携の取組みを実施している各地域を網羅的に調査しており、国内各地の多機関連携の取組みに関してデータが十分収集できている。この点、オーストラリアにおいて少年非行・児童虐待等に関して多機関連携の取組みを積極的に実施していることが判明したため、第2年度にオーストラリア(とりわけ、ACT(オーストラリア首都特別地域))にて調査研究を実施した。そこで、当該調査研究において不足していた項目の補足を行うべく、第3年度にオーストラリアにおいて「補足調査」を遂行した。 また、研究計画調書において第3年度の後半(11月頃以降を予定)では、「④研究成果の取りまとめ」を重点的に行うものとしていた。この点、2020年2月に提出した「補助事業期間延長承認申請書」記載の通り、本年度から法学部と大学院法務研究科の兼務とならざるを得ず、教育及び会議等学内業務の負担が倍になり、研究時間が十分取れない状態となった。また、2019年10月に北京の中国政法大学・北京師範大学で研究成果に関して報告をする予定であったが台風19号による欠航で中止となり、2020年3月にも同様に両大学で報告をする運びとなったが新型コロナウイルス感染症の流行で再度中止となった。そのため、補助事業期間を延長し、第4年度において集中的に「④研究成果の取りまとめ」を行うことになる。 上記事情があるものの、研究期間全体を見通すならば、現在までの達成度は「おおむね順調に進展している。」と言える。
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Strategy for Future Research Activity |
補助事業期間が延長されたため最終の第4年度となった2020年度においては、第1~3年度の研究実績を踏まえつつ、基本的には、「④研究成果の取りまとめ」を集中的に行うこととする。ただし、必要に応じて、適宜、「①資料の収集」、「②実態調査」及び「③検討会の開催」も行うこととしたい。そのことにより、研究成果の更なる精緻化が期待できると考える。「④研究成果の取りまとめ」では、これまで実施した調査研究で得られたデータを踏まえて多機関連携が現在どのような効果を生んでいるかも含め、重大非行事案防止のための多機関連携による非行少年等とその家庭への支援のあり方を検証する。また、最終年度となるため、できる限り研究成果を広く社会へ発信していくことにしたい。紀要等の印刷物において論文等として公刊する他、新型コロナウイルス感染症の流行状況によりまだ十分見通せないものの可能であれば公開の発表の場においても(第3年度に予定していた中国など海外が困難な場合は国内で)報告していくことを予定している。
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Causes of Carryover |
・次年度使用額が生じた理由 2020年2月に提出した「補助事業期間延長承認申請書」及び上記「現在までの達成度」欄にも記載の通り、本年度から法学部と大学院法務研究科の兼務とならざるを得ず、教育及び会議などの学内業務の負担が倍となり、研究時間が十分取れない状態になってしまった。また、2019年10月に北京の中国政法大学・北京師範大学において研究成果に関して報告をする予定であったが台風19号による欠航で中止となり、2020年3月にも同様に両大学において報告をする運びとなったが新型コロナウイルス感染症の流行で再度中止となった。そのため、残額が発生したことにより、「次年度使用額」が生じた次第である。 ・使用計画 上記「今後の研究の推進方策」欄にも記載のとおり、2020年度においては、第1~3年度の研究実績を踏まえつつ、基本的には、「④研究成果の取りまとめ」を集中的に行うこととする。ただし、必要に応じて、適宜、「①資料の収集」、「②実態調査」及び「③検討会の開催」も行う。「次年度使用額」を活用し、こうした「④研究成果の取りまとめ」及び必要に応じた補足的な調査研究を行っていくことにしたい。
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Research Products
(3 results)