2019 Fiscal Year Annual Research Report
Changing family and role of guardianship
Project/Area Number |
17K03455
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
合田 篤子 金沢大学, 法学系, 教授 (50361241)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 後見 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、変容する家族の実態を分析すると共に、未成年後見や成年後見制度の将来のあり方を検討することにある。 平成31年度は、前年度に引き続き、ドイツの未成年後見及び成年後見(世話法)の法改正の動向に着目して研究を進める予定であったが、2018年9月に公表された「連邦司法消費者保護省第二討議部分草案」以降、大きな進展がなく、また、新型コロナウイルスの影響もあり、ドイツでのヒアリング調査についても断念した。 一方、日本においては、児童虐待問題の観点から未成年後見が、また、成年後見制度については、成年後見制度利用促進基本計画が設けられるなど、国の施策レベルでその役割が期待されている。研究成果として形にすることはできなかったが、「基本計画」でも挙げられている利用者がメリットを実感できる制度の運用・改善については個人的経験からもその重要性を改めて実感することができ、引き続き検討を行っていく予定である。また、不正防止の施策として「後見制度支援預貯金」や支援信託が一定の効果を上げていると考えている(研究成果としては未発表)。また、未成年後見制度において注目すべき裁判例があり、検討を行った。東京地判平30・3・20は、保険外交員でもある未成年後見人が未成年被後見人を代理して自らを保険金受取人とする生命保険契約を締結する行為が、利益相反行為にも代理権濫用行為にも当たらず有効とされた事例であるが、改めて、未成年者後見制度、成年後見制度における監督機関としての家庭裁判所がはたすべき役割を検討すべきとの結論に至った。
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