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2020 Fiscal Year Research-status Report

ABLを用いた事業再生における包括担保規制のあり方についての研究

Research Project

Project/Area Number 17K03457
Research InstitutionSeijo University

Principal Investigator

池田 雅則  成城大学, 法学部, 教授 (20261266)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2022-03-31
Keywords流動資産担保 / 集合動産譲渡担保 / 集合債権譲渡担保 / 包括担保法制 / 債務者の経済的危機状態
Outline of Annual Research Achievements

2020年度においては、ドイツにおける流動資産担保の債務者再生局面における実態や法的位置づけなどについての資料収集や現地調査、およびドイツにおける流動資産担保の持つ包括担保性とドイツ倒産法制に関わる現地調査を予定していた。このうち、ドイツにおける現地調査は、新型コロナ感染症の世界的な流行によって、ドイツへの渡航が事実上不可能となっため、実施できなかった。また、資料収集等の方法による調査も、ドイツ国内での出版・流通事情の悪化によって必要な文献を十分に入手できなかった。
他方で、わが国において動産債権担保法制についての新たな立法の動きが進展し、私的な研究会ではあるものの、一定のとりまとめが行われている。この動きに対応して、法学雑誌において、動産債権担保法制についての特集が組まれ、その特集において包括担保のあり方についての論稿を公表することができた。この論稿においては、わが国においてすでに存在する包括担保権である企業担保および財団抵当について、そもそもどのような法的課題を解決するために立法され、現在どのような法的課題があり、さらに動産債権担保法制の中でどのようにその課題を解決することが求められているのかについて検討することができた。これは、わが国における包括担保法制において求められる法的な機能とはどのようなものであるのかを、企業担保および財団抵当という2つの担保制度において分析検討したものであって、包括担保法制全体のあるべき姿の検討の一段階を構成するものと評価できると考えている。
また、2019年度のドイツにおける海外調査や文献調査によって得られた「流動資産担保の設定局面と実行局面における担保権の一種の『すみ分け』が有体物概念に依拠するのではないか」という示唆については、国内での文献調査によって、必ずしもそのように帰結するとはいえず、なお調査の必要のあることが明らかになった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

新型コロナ感染症の拡大により、予定していた海外調査を行うことができなかったため、ドイツにおける流動資産担保の債務者再生局面についての実態および法的位置づけについての資料収集や現地調査を行うことができなかった。また、海外からの資料の調達についても、新型コロナ感染症によって、支障を来すなど大きな影響があった。これらの事情から、予定していた調査を十分に実施することができていない。
他方で、包括的担保法制としての企業担保や財団抵当制度については、動産債権譲渡担保法制の新たな立法化の動きに合わせて、日本法の状況について考察を加えることができたため、この点ではある程度進捗したと評価できるものと考えている。
以上から、本年度の研究状況は、やや遅れている状態となった。

Strategy for Future Research Activity

2020年度において実施する予定であったドイツにおける流動資産担保に関する債務者再生局面における実態や法的位置づけについての調査については、新型コロナ感染症の世界的流行の実態を踏まえて、実現可能な範囲に縮小した上で、新型コロナ感染症の世界的な流行が収まれば、現地調査を実施し、他方で、新型コロナ感染症の世界的な流行が収まらなければ、主として文献調査によって考察を進めることを予定している。これは、2020年度と同様に、海外調査が容易に実施できる状況にないことが想定されるためである。
また、「生かす担保」という担保理解が担保権の捉え方を担保実行局面においてどのように変容させるのかという着眼を2019年度までの研究において獲得し、以後考察を続けているが、なお、十分な結論を得るに至っておらず、調査と考察をさらに進めることによって、包括担保法制についての基本的な視座の獲得を図ることを考えている。

Causes of Carryover

2020年度に予定していた海外調査および海外文献収集を、新型コロナ感染症のために、実施することができず、予定していた海外調査旅費および物品費の支出ができなかったために次年度使用額が生じた。
2021年度においては、新型コロナ感染症の世界的な流行が収まれば、2020年度において予定していた海外調査を実施する予定であるが、収まらなければ、2020年度と同様に海外調査の実施は事実上不可能となるので、海外調査に代わって、主として文献調査による研究の遂行を検討している。

  • Research Products

    (1 results)

All 2020

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] 包括担保のあり方2020

    • Author(s)
      池田雅則
    • Journal Title

      法律時報

      Volume: 92(11) Pages: 50-55

URL: 

Published: 2021-12-27  

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