2019 Fiscal Year Annual Research Report
The notion of the equity in the contract law and the consumer law
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17K03478
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
大澤 彩 法政大学, 法学部, 教授 (30510995)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 定型約款 / 消費者法 / フランス法 / 労働契約 / 賃貸借契約 / IoT / フランチャイズ契約 / 不当条項規制 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、研究者がこれまで主に研究を重ねてきた約款や消費者契約のみならず、賃貸借契約と労働契約、フランチャイズ契約にも検討の範囲を広げ、消費者契約や約款における契約当事者間の情報・交渉力の格差と比較しながら、これらの契約当事者間に生じる権利・義務の著しい不均衡の特徴およびその規制法理について検討した。成果は2019年秋に開催された日本労働法学会および日本消費者法学会において報告した。その際に、フランス法における賃貸借契約特別法と消費法典との関係に着目し、2019年秋にフランスで複数の消費法研究者と意見交換を行った。さらに、フランチャイズ契約については、消費者契約法の「消費者」概念との関係について分析し、雑誌で成果を公表した。 また、引き続き民法と消費者法における当事者間の権利・義務の著しい不均衡に関わる基礎研究も行った。具体的には、第1に、フランスにおける従属性の濫用規定について分析を行い、法学志林で連載を開始した。第2に、「脆弱な契約当事者の保護」のあり方について民法典の新規定である定型約款規定との関係、さらには、民法典と消費者法との関係をふまえて日仏比較を行った。日本法については、2019年10月にGael Chantepie・リール第2大学教授とMathias Latina・ニース・ソフィア・アンティポリス大学教授と共同で日仏契約法改正研究会を主催し、その中でフランス語による報告を行った。また、日本の消費者契約法改正や定型約款規定の内容規制や条項変更論について雑誌論文を執筆するとともに、フランスの雑誌にもフランス語版を投稿し、掲載が決定している。 さらに、2018年度に引き続き、IoTやプラットフォームといった新技術がもたらす契約当事者間の権利・義務の不均衡にも関心をもち、フランスのObjet connecteをめぐる議論についての論文を公表した。
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Research Products
(12 results)