2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K03493
|
Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
川角 由和 龍谷大学, 法学部, 教授 (80204725)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 邦博 龍谷大学, 法学部, 教授 (00222414)
若林 三奈 龍谷大学, 法学部, 教授 (00309048)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 民法 / ヨーロッパ私法 / 物権法 / 契約法 / 不法行為法 / 比較法 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究計画に従い、昨年度の作業を前提に、第1に、EU法レベルでの法統一の動きについて、重要な規則・指令(提案を含む)等について資料を収集し、検討した。第2に、EU法の影響下にある各国私法 の現代化現象および改正動向を分析した。第3に、ヨーロッパの主な国々を対象とし、各国法システム(裁判制度・実務慣行)のあり方を踏まえて共通の傾向を析出する作業を行った。第4に、とくにドイツ法などの重要文献の翻訳作業を継続した。こうした成果を踏まえて日本私法の動向を分析した。 平成30年度の具体的な作業としては、①私法領域に関係するEU(欧州連合)指令およびEU各国でそれらの国内法として制定された法律について情報を収集し、その傾向を分析した。とりわけ、消費者権利指令の国内法化、電子商取引、デジタルコンテンツ契約などの新たな指令提案やプラットフォー ム責任の動向も対象にした。②各種のモデル私法などを参考にしつつ、私法の共通化の分析を行う(共通ルールの抽出)。③EU各国の私法の展開に関する情報を収集 し、分析する作業を行った。④いくつかの個別テーマを素材にして、計画的・継続的に研究会やセミナーを開催した。とくにマックス・プランク外国私法・国際 私法研究所に滞在し必要な調査・研究を行った。⑤こうした作業による知見を前提に、日本法への考察を深め、それに関しての研究成果を積極的に発表した。 また、本研究グループが中心となって、海外の研究者を適宜、招聘し、講演会、共同セミナー等を開催し、情報を交換したうえで、研究の進展状況を確認する作業を継続した。その際、EU私法の動向(法規定、学説、判例)の動向について考察した。こうした作業を前提として、わが国の動向を分析する作業を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に従って研究作業を予定通り、進行させている。外国の研究者を招聘した研究会も定期的に開催することができており、昨年度に引き続き研究の内容を深化させている。 また、国内外の研究者との情報交換によって、研究テーマの広がりと課題の設定については適切であることがわかった。現在までの研究の進展に対応してメンバーにおいて研究成果を発表また準備を行っている。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究計画に従い、共同研究テーマについての資料・情報収集を継続し、共同研究者各自の研究を深めることによって、共同研究の進展を図る。定期的に研究会やセミナーを開催する。ヨーロッパ私法という広がりのあるテーマのため、夏期の期間を利用して、ドイツのマックス・プランク研究所を拠点として、幅広く情報収集を行いうことを予定する。また、海外の研究者との積極的な交流を行い、現代的な問題の把握を行い、今後の研究に反映させるように努めることにする。また、外国の学会への出張を計画する。各自の研究の成果として共同研究の成果を積極的に公表する。
|
Causes of Carryover |
パソコン等の備品について、予定より安価なものを購入したこと、いくつかの備品について次年度での購入とした方が適切であると考えたこと、また外国出張の予定を次年度に繰り延べたことによって、差額が生じた。この差額については、今年度、備品購入を行い、また外国出張を実施する予定であるので、研究への影響はほとんどないと考えている。
|
Research Products
(6 results)