2020 Fiscal Year Annual Research Report
A study of damage theory in multidimensional tort liability norms
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17K03494
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
若林 三奈 龍谷大学, 法学部, 教授 (00309048)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 福島第一原発事故 / 損害賠償 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の研究計画の内容については、予定していた2019年度末までに一定の成果を得ることができたものの、当初、これらの研究をさらに発展させるため、2020年3月に、国内外への出張を予定していた。しかしながら、コロナウイルス感染拡大により、いずれも中止せざるを得なくなったため(海外出張については先方の研究所の新規受け入れが中止となった)、これらの出張については、感染状況が落ち着いた後、2020年8月頃に実施(延期)することを予定して、研究期間の延長を申請していた。ところが、この間においても、感染状況が収束する状況には至らなかったことから、一部、オンラインでの実施が可能なものについては、オンラインに切り替えて、ヒアリング等を実施した(当初、出張費として計上していた費用は、いずれも、研究資料等の物品購入費用に充当した)。 この間、とくに、これまでの日本での原発事故賠償における裁判例やそれに対する学説の評価等について、主要な論点ごとに、その概要を欧文でとりまとめ、公表する準備を行った(2021年度に海外誌での掲載が確定している)。 なお、福島第一原発事故による損害賠償訴訟(集団訴訟)については、この間、2020年度末までに、5つの控訴審判決が出されるに至り、その過程で、新たに出てきた東電による弁済の抗弁の主張について、多くの問題点があることが明らかとなった。各集団訴訟における原告属性や請求対象に留意しながら、この点についても、引き続き検討を行う。
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