2021 Fiscal Year Annual Research Report
Legal System of the Cross-Media Ownership Regulation in Japan and Germany
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17K03507
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
杉原 周治 愛知県立大学, 外国語学部, 准教授 (50456191)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ライブストリーミング / 放送の概念 / メディア州際協定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終年度に実施した研究の成果として、以下の二つの論文を公表した。すなわち、杉原周治「ストリーミング・コンテンツと法規制――民間事業者のインターネット・ストリームに対するドイツの法制度の概要と最近の動向」メディア・コミュニケーション(慶應義塾大学メディアコミュニケーション研究所紀要)72号13頁以下(2022)と、同・「ライブストリーミング・コンテンツと放送認可――2019年9月26日のベルリン行政裁判所判決の分析を中心として」情報通信政策研究5巻2号1頁以下(2022年)である。 ところで、ドイツでは最近になって、民間事業者によるストリーミング・コンテンツの配信に対する法規制、および「放送」の概念をめぐって大きな動きが見られた。ひとつは、放送認可につき管轄権を有する監督機関であるZAKが、複数の事例で、インターネット上のライブストリーミング・コンテンツを「放送」とみなし、それゆえ認可が必要であると判断したことである。もうひとつは、2020年11月に、新しい放送法である「メディア州際協定」が発効されたことである。具体的には、同法は、「放送」とはみなされないコンテンツの基準を大幅に緩和し、それに伴い認可なしに配信可能なストリーミング・コンテンツの範囲が拡大したのである。このような動きもあり、ドイツでは現在、放送法にいう「放送」の概念、およびインターネット・ストリームに対する法規制のあり方をめぐる議論が、判例・学説において改めて議論がされているところである。 上述の論文は、このようなドイツの法規制につき、とりわけ①ドイツにおける「放送」の概念と認可体制、②放送およびオンライン・コンテンツの監督期間であるZAKの組織と任務、③ライブストリーミングに対する法規制が問題となった2019年9月26のベルリン行政裁判所判決の分析を中心に、同制度のあり方を検討したものである。
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