2020 Fiscal Year Research-status Report
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17K03512
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
田上 麻衣子 専修大学, 法学部, 教授 (80408020)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 生物多様性条約 / 遺伝資源 / 伝統的知識 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度においても、引き続き、伝統知(伝統的知識)の保護に関する各国の動きや国際機関での議論の動向などについて、文献調査を進めた。新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で、伝統的知識の保護に関わる国内外の関連する各種会合が軒並み中止または延期となり、国際的な議論の進展が滞っている。特に生物多様性条約の締約国会議及び関連会合では、伝統的知識の保護とともに、遺伝資源へのアクセスとその利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分(ABS)やデジタル配列情報(DSI)の取り扱いなどに関して集中的な議論が展開されているところ、令和2年度に予定されていた第15回締約国会議(COP15)は新型コロナウイルス感染症の影響で令和3年5月に延期され、さらに同年10月に再度延期になった。こうした中、一部、オンライン等で会合やセミナーなどが開催されたため、積極的に参加するとともに、意見出しを行った。また、公表された文書やデータベースその他を活用し、各トピックに関する議論の状況、各国における検討状況については適宜フォローし整理した。しかし、COP15では非常に重要な論点が議論される予定になっており、同会議の結果も成果に盛り込むため、本研究について期間の延長を行うこととした。 この他、伝統的知識の保護について研究しているオーストラリアやインド等の研究者と連携し、研究成果の取りまとめなどを行っている。また、パブリック・ドメインの観点から、情報の保護について検討し成果を公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
国内外の関連する会合の多くが中止または延期となり、とりわけ国際的な議論の停滞がみられたことから、当初の予定から研究の実施が遅れている部分が生じている。 他方で、オンラインで開催された会合については積極的に参加し、情報収集・意見交換を行った。 また国内外の文献調査を行うとともに、国内の関連分野の研究者や海外で伝統的知識の保護に関連した研究を行っている研究者とオンラインで意見交換を行うなど、協力・連携を行い、検討を進めた。 このように変更を余儀なくされた部分がある一方で、オンライン会議やデータベースなどのオンラインツールなどを活用することで、研究を進展させることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受けて、当初の計画よりも一部遅れが生じているが、他方で今年度開催される予定の会合も数多くあるため、それらの結果を踏まえて、今年度を最終年度として成果を取りまとめる予定である。当初予定していた海外調査については、現状を鑑みると困難であるが、他方でこれまで数年間で構築した海外とのネットワークを利用し、オンライン会議なども活用しつつ、引き続き国内外の関係者との意見交換、協力・連携を行い、多角的な視野で検討を進める予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大の関係で、関連する会合が延期になったことから、当該会議における検討の成果を成果に盛り込むべく、当該課題研究の実施の延長を決定したため。資料収集、オンライン会合への参加に必要な機器の購入等に使用する予定である。
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