2017 Fiscal Year Research-status Report
法人形態としてのベネフィット・コーポレーション及びBコーポレーション認証
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17K03513
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Research Institution | Takushoku University |
Principal Investigator |
藤田 祥子 拓殖大学, 商学部, 教授 (30316616)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ベネフィット・コーポレーション / Bコーポレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、法人法制体系の再構築を問題意識としていることから、我が国における既存の法人法制の研究も重要であると考えている。そこで、会社法上の類型である持分会社について会社法施行後の裁判例を調べた。合名会社、合資会社に関しては、現在会社数も少ないため注目すべき裁判例が殆どなく、合資会社の裁判例を1つだけ取り上げた。合同会社は、会社法において新しく出来た会社の種類であるため、施行後の裁判例を網羅的に調べ、固有の問題があるが、どのような団体が合同会社を選択しているのか等を検討した。 次にアジアにおけるBコーポレーションの認証取得状況と日本の状況を比較してみた。 具体的には、台湾で開催されたB Corp Asia Forumに参加した。現在、我が国ではBコーポレーションの認証取得は決して順調ではないが、台湾がアジアでは認証取得企業数も認証取得に向けての活動も最も活発で、注目にあたいする。フォーラムには、各国の認証企業の経営者等にインタビューすることができた。また、現在、台湾では会社法改正作業が進んでいるが、法律事務所の弁護士と話ができたことにより、ベネフィット・コーポレーションの規定をいれるべく活動していることや、改正状況をしることができた。帰国後は、各国におけるバックグラウンドとなる状況(社会的企業を支援するような法律があるか等)を調べるなどして、Bコーポレーション認証取得企業数との関係を考察した。認証企業の経営者層や政府の姿勢の違いが日本における認証取得企業数の伸び悩みにつながっているものと思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在、日本で認証を取得した企業や、Bコーポレーション認証に興味を持って調べている経済産業省、研究者等にコンタクトをとっているが、なかなか連絡がとれず、意見交換等が出来ない状況が続いている。今後もあきらめずにコンタクトは継続していく予定である。 予定していたアメリカ各州のベネフィット・コーポレーションの規定の比較ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度もAsia Forumが開催されれば参加し、引き続きアジアの認証取得状況を調査し、インタビュー等も継続していく予定である。 認証取得企業の研究については、そのほか、ヨーロッパ(特にフランスやドイツ)も 対象にする予定である。これらの国では、ベネフィット・コーポレーションは法定されていないが、独自の法制が展開されているようなので、それらも研究の対象とする。
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Causes of Carryover |
科研費の利用が初めてのため、わからないことが多く、うまく使用することができなかった。今後は当初計画していたところに沿って使用するとともに国内の意見交換やインタビュー、海外でもフォーラムにも積極的に参加していく予定である。
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[Book] 検証 判例会社法2017
Author(s)
石山卓磨監修(藤田祥子:担当「持分会社」)
Total Pages
640(担当27-48)
Publisher
財経詳報社
ISBN
978-4-88177-444-1