2020 Fiscal Year Research-status Report
The Irony of International Consumer Movement
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17K03527
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
井上 拓也 茨城大学, 人文社会科学部, 教授 (70291284)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 消費者運動 / 消費者団体 / 利益団体 / 市民社会 / 消費者政策 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、国際消費者機構(Consumers International: CI)において、価格・品質などの消費者の経済的利益よりも環境や労働などのその社会的責任が重視されがちなこと、またそれが先進国よりも豊かではない途上国の消費者団体によって推進されがちなことという皮肉な状況を、消費者団体の2つのモデルの相違によって説明することである。 消費者団体は、①物質的便益を選択的誘因として大衆基盤の多数の会員を集める、先進国で主流の顧客消費者団体、および②非物質的便益を選択的誘因として意識の高い少数の会員を集める、北欧などの一部の先進国や途上国で主流の市民消費者団体という、2つのモデルに区分できる。CIは、先進国の①によって消費者の経済的利益を目的として設立され、現在でも主にそれらによって財政的に支えられている。しかしそこでは、約60年間の間に、途上国などの②が多数を占めるようになり、消費者の社会的責任が重視されるようになってきた。そして先進国の①は、CIを財政的に支えつつも、CI以外の先進国を中心とした国際団体を設立しているといことが、本研究の基本的な仮説である。 2020年度には、2019年度に引き続きコロナ禍により海外渡航が不可能であったため、研究は基本的に進捗しなかった。本研究には、デジタル化されていない文献を現地で収集することが不可欠だからである。そのため2020年度には、2018年度に実施したCI本部(ロンドン)での聞き取りや文献収集で得られたデータ、および2019・2020年度にオンライン上で得られたデータに基づき、主としてアメリカ、イギリス、ベルギーなどの先進国の①による、国際消費者運動への寄与、および倫理的消費志向の動向などを分析した。しかしそれらのデータは限定的であるため、本研究に直接に関係する研究実績は、残念ながら上げることができなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
遅延の最大の理由は、コロナ禍の海外渡航が不可能な状態が続いているであることである。本研究の実現には、オンラインによる聞き取りだけでは不十分であり、現地でのデジタル化されていない文献の収集が必要となる。現状では、それを実行できる見込みがまったく立っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の進捗は、令和2021年度のコロナ禍の状況がどこまで改善するかにかかっている。コロナ禍による研究の遅延は、2019・2020年度の2年にわたったものであるため、2021年度の単年度で取り戻せるかどうかは定かではない。しかし、海外渡航が可能となれば、現地での聞き取りや文献収集が可能となるため、大きな進捗が見込まれる。まずはその可能性の中で鋭意努力を続けたい。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため海外渡航ができなかったため、研究経費の大半を占める旅費を当該年度中に執行できず、次年度以降に使用することとしたため。
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