2018 Fiscal Year Research-status Report
旧東ドイツ地域における環境破壊、産業崩壊発生地域の再建
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17K03530
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安達 亜紀 東京大学, 大学院総合文化研究科, 学術研究員 (60724507)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 東ドイツ / 環境破壊 / 地域再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、甚大な環境破壊と産業崩壊が生じた地域の再建をテーマに、旧東ドイツ地域に位置するドイツ中部の都市、ビッターフェルトおよび、その周辺地域を事例として、その政策過程や再建状況に関する調査・分析を行うものである。旧東ドイツ時代から東西ドイツ統一後の時期に深刻な環境破壊と産業崩壊が生じた地域について、これまであまり研究がなされてこなかった地域再生への過程に焦点を当てた点に特色がある。さらにEU環境政策のマルチレベル・ガバナンスに関し、EUレベルや国レベルではなく、自治体レベルの視点から調査・分析を行っている。ビッターフェルト等の地域では1990年の東西ドイツ統一以降、連邦政府および州政府の支援を受け、莫大な資金を投じた地域再生への取り組みが続けられてきた。環境破壊に関しては、大気や土壌、河川の汚染に関する対策、景観の再生では顕著な前進もみられるが、地下水汚染等で、依然として多くの課題が残されている。 平成30年度は2月18日~3月18日の間、旧東ドイツ地域に位置する都市(ベルリンおよびビッターフェルト)とベルギーのブリュッセルに出張し、現地調査を行った。ビッターフェルトでは東西統一後、地域経済を支える新たな拠点となったケミカルパークや元環境事務所勤務の専門家を訪問し、聞き取り調査や資料収集を行った。また、ベルリンでは旧東ドイツ環境省職員への聞き取り調査のほか、ベルリン自由大学図書館での文献収集を実施した。さらに、旧東ドイツ地域を含むドイツの「エネルギー転換」で注目されるプロジェクトの1つであるWindNODEのプロジェクトリーダーを訪問し、プロジェクトの内容について説明を受けた。このほかブリュッセルでは、欧州委員会図書館における文献収集のほか、EU機関関係者との情報交換も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
他業務の関係から十分な研究時間の確保は難しい状況が続いているが、上記のように平成29年度および30年度の2月から3月には、本研究の中心となっている現地調査を実施、ビッターフェルトをはじめとする旧東ドイツ地域の複数の都市において聞き取り調査および文献収集を行った。また、本研究の中間的な成果を公表するため、昨年10月には、日中韓およびドイツの研究者や博士課程の学生らが参加する国際会議にて、「Wiederaufbau einer von schwerer Umweltzerstoerung und dem Zusammenbruch der Industrie betroffenen Region in Ost-Deutschland」と題するドイツ語の研究報告を行った。さらに一昨年11月に欧州統合をテーマとするシンポジウム(大阪市立大学で開催)にて、「EUにおける環境政策の発展と近年の動向」と題する研究報告を行ったことから、その報告内容を基に大阪市立大学『經濟学雑誌』への論文執筆を行った(2018年9月発行、第119巻第1号)。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度末に実施した現地調査等で収集した文献および聞き取り調査の内容を整理すると共に、収集した文献を読み進める作業を継続していく。また、今年度も昨年度と同様に、2月~3月の時期にドイツでの現地調査(聞き取り調査および文献調査)を実施する予定となっている。それ以外の期間には、引き続き、東京大学を拠点とし、国内でも文献収集・調査を実施すると共に、学会等において情報収集や関連分野の研究者との意見交換を行っていく。 現地調査に関しては、前年度の調査で計画通り行えなかった部分について、再度、資料収集や聞き取り調査の実施を試みる。現地での聞き取り調査については前回に続き、政策担当者や環境事務所等の専門家、関連分野の大学の研究者、現地進出企業の関係者、市民等を対象に行う予定とする。さらに、これらの調査結果および前年度の調査結果をまとめ、学会報告の作成や論文の執筆を行う方針である。
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Research Products
(2 results)