2018 Fiscal Year Research-status Report
ポピュリズムの日伊比較研究―パーソナル・パーティとモニタリング・デモクラシー
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17K03533
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
後 房雄 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (20151855)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ポピュリズム / 政治の大統領制化 / パーソナル・パーティ / モニタリング・デモクラシー / カウンター・デモクラシー / 同盟 / 五つ星運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
前期に引き続き、日本語、英語、イタリア語でのポピュリズム関係文献の収集、検討を進めた。 それと並行して、2018年3月のイタリア総選挙の結果の分析、その後の連立政権交渉の錯綜した経過をフォローした。結果として、北部同盟の後身である「同盟」と五つ星運動という二つのポピュリズム政党の連立政権の成立に至った。 こうした結果を踏まえ、政権に就いたポピュリズムへと研究の焦点を再設定し、その後の政権運営の動向の検討を開始した。 また、当初から重視していた理論家であるエルネスト・ラクラウの著書『ポピュリズムの理性』およびムフ『左派ポピュリズム』が出版されたこともあり、ポピュリズム研究の理論的基礎の研究を進めることができた。 併せて、2019年5月に予定されている欧州議会選挙が、イタリアのポピュリズム政権への最初の審判となるとともに、各国のポピュリズム政党の支持状況が示される重要な機会となることを考慮し、その調査の準備を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年3月イタリア総選挙の結果、ポピュリズム連立政権が誕生し、その経過を検討する過程で、政権に就いたポピュリズムという重要な研究対象も得られた。それに関する文献の収集も進みつつあり、当初の予定通りの進捗状況といえる。 なお、予定では2018年度にイタリアでの調査を想定していたが、2019年5月欧州議会選挙の調査がより有益であると考え、その準備を開始している。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度においては、まず2019年5月欧州議会選挙の調査を行い、イタリアのポピュリズム連立政権の動向や各国のポピュリズム政党の状況についての情報収集や文献収集に努め、帰国後、研究全体のまとめとして、欧州議会選挙の結果やイタリアのポピュリズム政権に関する論文の執筆を進める予定である。
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Causes of Carryover |
2018年度に予定していたイタリア調査を延期し、2019年5月に予定されている欧州議会選挙の調査を実施することとしたため、そのための経費約50万円を次年度に繰り越すこととした。 これに伴い、2019年5月にはその経費を用いて欧州議会調査を実施する予定である。
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Research Products
(4 results)