2019 Fiscal Year Annual Research Report
Empirical Analysis of Majority Formation in Plural Political Institutions
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17K03537
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
待鳥 聡史 京都大学, 法学研究科, 教授 (40283709)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 多元的政治制度 / マルチレヴェル / 多数派形成 / 議会 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題の研究目的は、複数のアクターが異なった選出基盤と民主的正統性を持つ「多元的政治制度」の下で、政策決定に必要な議会での多数派形成がどのようなメカニズムを通じてなされるのかについて、理論的および経験的に解明することであった。多元的政治制度を作り出す要因としては、執政制度・選挙制度・マルチレヴェルの関係などが主に挙げられる。 最終年度に当たる2019年度は、過去2年間に進めてきた研究の成果を学会等において公表するとともに、新しい研究プロジェクトへの接続を行うことに重点が置かれた。具体的には、2回の国際学会・研究集会において発表を行い、単著の出版についてほぼ作業が完了するところにまで至った。また、本課題において予定しながら、1~2年目の検討を通じてより大きなプロジェクトして進めるべきであるという認識に至ったデータベース作成について、単独研究ではなくチーム研究として行うための準備に着手して、新たな研究プロジェクトを立ち上げることができた。 本課題においては、応募段階において中央政府が議院内閣制で地方政府が大統領制など、マルチレヴェルの政治制度の不整合が生じるほど、いずれのレヴェルの政府(議会)でも多数派形成は困難になることを、プロジェクト全体の基本仮説として想定していた。この点については、なおやや試論的ではあるものの、本年度の国際研究集会での報告などによって示すことができたと考えている。より体系的なデータを用いた分析については、今後のテーマとして残された。
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Research Products
(7 results)