2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K03545
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
西出 順郎 明治大学, ガバナンス研究科, 専任教授 (20433112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 奈保子 福島大学, 行政政策学類, 准教授 (10633688)
河合 晃一 金沢大学, 法学系, 准教授 (50746550)
松井 望 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (70404952)
大谷 基道 獨協大学, 法学部, 教授 (80705939)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 復旧・復興 / 応援職員 / 自治体間連携 / 人事管理 / 東日本大震災 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、被災自治体を遠隔地自治体の水平的支援の手法の一つとして採用された応援職員の実態把握を進めている。具体的には、被災自治体と派遣自治体双方に対する調査により、被災自治体と派遣自治体それぞれの戦略性を明らかにすることを目指している。 2019年度は、二つの観点から調査研究を進めた。一つめは、自治体間の水平的連携・支援に関する理論的検討である。同検討を進めるため年度内に2回の研究会を開催した。各研究会では研究代表者及び研究分担者から、自治体の水平的支援及び応援職員に関する調査に関する報告と討論を行った。特に、2019年度は、以下の調査結果をもとに報告を行い、自治体の人事管理における戦略性の妥当性に関する分析、個々の調査結果間での統一的理解を進めるためのとりまとめ方法等を多角的に論じた。 二つめは、応援職員の実態把握の実施である。2019年度は、前年度に引きつづき、総務省が毎年度実施している「東日本大震災による被災地方公共団体への地方公務員の派遣状況調査」の調査内容(調査票及び調査結果)を分析した。2019年度には同分析を踏まえた郵送質問紙調査を作成し、過去に1年間継続したことが市区町村(601市区町村)を対象に調査を実施した。回答数は288市区町村(回収率47.9%)であった。同調査及び前年度までに実施した派遣自治体側に対するインタビュー調査をもとに、2019年8月に開催された第33回自治体学会堺大会ポスターセッションにて報告を行った。 以上の調査研究を通じて、派遣元の自治体の選定過程、応援職員の選考制度、派遣自治体先での業務、派遣期間中での業務把握と各種支援、帰任後の人事配置等に関する理解を深めた。さらに上記学会の報告からは、学会員から派遣時の戦略性の存在への共感を得た一方、帰任後の人事配置への困難性を把握することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は申請調書に基づき上記の項目を進めることができた。特に、郵送質問紙調査では約5割の高い回答を得ることができ、研究目的として期待をしていた調査結果を把握することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画時では2019年度は最終年度を予定した。しかし、研究代表者及び研究分担者間での議論を進めるなかで、郵送質問紙調査で得られた情報、知見の社会的意義の高さを認識し、公表方法を再検討することになった。具体的には商業出版を含めた公刊により、学術的成果としての公表とともに、広く社会全体への公表を行うことが必要であるとの結論に達した。そのため、当初の研究計画期間を延伸し、これまでの派遣自治体、被災自治体に対するインタビュー調査、郵送質問紙調査、総務省調査等を統一的に分析したうえで、本研究で得られた知見を研究成果として対外的に公表する方針で取り組んでゆくこととした。
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Causes of Carryover |
昨年度の研究過程において、商業出版の計画がみえてきたので、これまでの結果をさらに深く検証し、また新たなデータ分析を付け得る作業が生じたことによる。今年度においては出版・編集のための打ち合わせ等のほか、新たなデータ収集・分析、執筆作業を行う予定である。
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Research Products
(7 results)