2017 Fiscal Year Research-status Report

Otto Kirchheimer and the "catch-all party"

Research Project

Project/Area Number	17K03570
Research Institution	Seikei University
Principal Investigator	野口雅弘成蹊大学, 法学部, 教授 (50453973)
Project Period (FY)	2017-04-01 – 2020-03-31
Keywords	オットー・キルヒハイマー / 包括政党 / マックス・ウェーバー / カール・シュミット / ヴィルヘルム・ヘニス / フランクフルト学派
Outline of Annual Research Achievements	本研究の成果を、二つの報告で行なった。一つは「カール・シュミットの呪縛 ――「包括政党」catch-all partyの政治思想史」成蹊大学政治学研究会、2017年4月27日、もう一つは、「政治（科）学者の政党研究と政治思想史研究者の政党（・党派）研究 ――オットー・キルヒハイマーを題材にして」日本政治学会（法政大学）、2017年9月23日である。 Werner Gephart (ed.)., Recht als Kultur? Beitraege zu Max Webers Soziologie des Rechts, Vittorio Klostermann, 2017に収録された "A Weberian Approach to Japanese Legal Culture without the 'Sociology of Law': Takeyoshi Kawashima and his Search for 'Universalism'"も、本研究に関係する成果である。アメリカの諜報機関Office of Strategic Service（OSS）でキルヒハイマーらがドイツについて分析した文章『ナチ・ドイツの秘密レポート』Secret Reports on Nazi Germany: The Frankfurt School Contribution to the War Effortの翻訳を進めた。次年度には完成する目処がついた。ノルトライン・ヴェストファーレン州の文書館、フライブルク大学のヴィルヘニス・ヘニス文庫、ボンのフリードリヒ・エーベルト財団の図書館、そしてフランクフルトの大学図書館・文書館、社会科学研究所で調査を行なった。この成果は次年度以降、発表して行く予定である。
Current Status of Research Progress	Current Status of Research Progress 2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned. Reason ドイツでの調査、翻訳、学会報告など、いずれについても大きな失敗はないので。
Strategy for Future Research Activity	『ナチ・ドイツの秘密レポート』の翻訳をしながら、研究を進める。キルヒハイマーの主著『政治的司法』Politische Justizの翻訳を、立命館大学の本田稔教授らと行う予定である。キルヒハイマーが「包括政党」を論じるときに、オーストリアの大連立を意識していたことがわかったので、今後はそうした視点も加えて研究を展開していきたい。
Causes of Carryover	2度予定していた海外出張を1度だけしか行わなかったため。