2017 Fiscal Year Research-status Report
The future of economic diplomacy: Overseas Infrastructure Investment of China and Japan and the role of non-state actors in the Arctic and beyond
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17K03576
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
礪波 亜希 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 准教授 (80793760)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 海外直接投資 / 北極域 / ミャンマー / 経済外交 / 国際政治経済 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、経済外交政策としての対外投資、特にインフラ投資、また経済外交政策における非国家アクターの役割及び影響に関する調査研究を行い、経済的ツールを用いた外交政策である経済外交の政治経済的役割の理論と実際を明らかにすることを目的とする。調査研究は、文献に基づく研究とフィールド調査を同時並行で行い、関連文献とデータを得ながら、国際関係論、(国際)政治経済論、外交論の理論を参照しつつ分析を行うものである。本年度は、①日中の対外インフラ投資、非国家アクターによるパラ外交(paradiplomacy)に関する文献のサーベイを広範的に行う、②既存文献、特に公開記事や公文書の収集、調査を行い、日中の対外インフラ投資、北海道のパラ外交に関する現状分析を行い、第1段階のフィールド調査として、関連機関の所在する東京、北海道、及び上海にて主にインタビューに基づく調査を行い、データ・文書を収集することを目標としていた。 文献のサーベイは、大幅に進展させることができ、結果を日本国際政治学会2017年度国際学会等で発表することができた。また、公益財団法人笹川平和財団 海洋政策研究所が主催する北極の未来に関する研究会に参加し、第3期海洋基本計画に関する意見交換を行い、政策立案に向けての土台作りに貢献すると共に、関係者にインタビューを行うことができた。また、平成30年度の予定として、投資先の事例分析途上国は、北極域諸国に加え、東南アジアの「日中投資競争」の中心地といわれるベトナムを訪問する予定であったが、現在ベトナムよりさらに日中両国による投資が活発に行われているミャンマーを訪問し、フィールド調査を行うことができた。他方、北海道、及び上海における調査は実行できなかった。平成29年度は関連する論文を2本刊行し、学会・研究会では4回の報告を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前述のとおり、文献のサーベイは大幅に進展させることができ、結果を日本国際政治学会2017年度国際学会等で発表することができた。また、各種学会、研究会に参加することを通じ、関係者にインタビューを行うことができた。平成30年度の予定として、投資先の事例分析途上国は、北極域諸国に加え、東南アジアの「日中投資競争」の中心地といわれるベトナムを訪問する予定であったが、近年ベトナムに比しても日中両国による投資が活発に行われているミャンマーを訪問し、フィールド調査を行うことができた。また、中国からの投資規模が近年問題になっているオーストラリアを訪問し、研究者との意見交換を行うことができた。他方、北海道、及び上海における調査は実行できなかった。しかしながら、これまでに述べてきた成果や研究実績を勘案すると、平成29年度は「おおむね順調に進展している」と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の申請時には、平成29年度に東京、北海道、上海でのフィールド調査、平成30年度にベトナム、北極域、英国でフィールド調査を行う予定であったが、平成29年度に現状ベトナムよりもさらに日中両国が援助・投資を行っているミャンマーにてフィールド調査を行うことができたので、平成30年度は北海道、北極域、英国に調査に赴いて、資料収集とともに関係者にインタビューを行う。結果として、本研究に重要な関連文献・データを特定することが可能となる。 また、これまでの調査研究結果を基に、国際学会で発表し、萌芽段階にある本研究に対して外部の研究者からコメントを受け、必要な修正・改善を加えることが可能になった。最終成果物としての書籍の完成に向けた準備を着実に行うため、構想をさらに深め、原稿の執筆を進める。
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Causes of Carryover |
人件費・謝金を計上していたが,今年度は特に謝金を必要とするインタビュー等を行う必要がなかったので、計上しなかった。次年度にはインタビュー調査を行い、データ整理の補助員に対する人件費として支出予定である。
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Research Products
(10 results)