2018 Fiscal Year Research-status Report
ユーラシアのエネルギー開発・供給と国際秩序に関する基礎的研究:原子力開発を中心に
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17K03589
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
湯浅 剛 広島市立大学, 付置研究所, 教授 (80758748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安達 祐子 上智大学, 外国語学部, 教授 (90449083)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | エネルギー安全保障 / ユーラシア / 原子力開発 / 核不拡散 / 国際秩序 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、中国・ロシア・インドなどのユーラシアの主要国や、日本を含めた関係諸国の原子力エネルギーの供給・開発に関する政策が、冷戦後のユーラシアの国際秩序にいかなる影響を与えたかを考察する者である。2年目の平成30年度は、前年度に引き続き、主要先行研究の渉猟・確認を進めるとともに、代表者および分担者はそれぞれの所掌に従い、海外での調査ならびに研究発表など、個別に研究活動を実施した。 湯浅(研究代表者)は、イギリス (British Association for Slavonic and East European Studies: BASEES)、カナダ (International Studies Association: ISA)などで本研究に係る発表を行うとともに、共著所収の論文として公刊業績を刊行した。 また、安達(研究分担者)は、ウプサラ大学(フィンランド)での国際会議や米国の国際学会(Association of Slavic, East European and Eurasian Studies: ASEEES)年次大会などで本研究に係る研究発表を行うとともに、国内でも研究会にて研究報告を行った。 平成30年度の本研究に係る事業としては、2019年1月19日、上智大学にて開催されたシンポジウム「21世紀のロシアエネルギー戦略」に、共催プロジェクトとして参画したことを挙げることができる。シンポジウム当日は、100名超の参加者を得るとともに、ゲスト登壇者である蓮見雄・立教大学教授をはじめ有識者と貴重な意見交換を行うことができた。 以上の通り、研究代表者・分担者ともに調査研究を進め、シンポジウム形式での研究会共催を含め、研究成果の発表も段階的に行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、平成29年度に実施する予定であったシンポジウム形式の会合開催は、平成30年度に実施し、計画の遅れを取り戻すことができた。また、研究代表者・分担者ともに概ね予定通りの国内外での調査・研究発表を実施することができ、最終年度である来年度に向けた準備を整えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度は研究最終年度であり、成果の取りまとめに向けて作業を進める。湯浅(研究代表者)は、担当するフィールドワーク(ロシアあるいはカザフスタンを想定)を実施するとともに、3年間の研究成果を踏まえた論文の執筆を進める。安達(研究分担者)も、担当テーマてあるロシアにおける原子力開発の現状について、国家コーポレーション「ロスアトム」の動向を中心にとりまとめる計画である。 次年度でもって「基礎的研究」としての本研究は一つの区切りをつける。爾後、論文の公刊などの成果を踏まえ、関係の研究者の協力を得て、ユーラシアにおける原子力開発の経緯・現状・展望について、引き続きより精緻な分析を進められるよう、共同研究の態勢を整えていきたい。
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Causes of Carryover |
研究初年度に比べ、当該年度は順調な研究活動を実施することができ、それによって助成金の執行を進めてきたところであるが、特に研究分担者(安達)の勤務先業務が過多となったため、予定していた予算執行を順調に行うことができなかった。 研究最終年度である令和元年度は、本研究に携わる担当者がそろって同一の大学・学科に所属することとなったため、学務を協力し合って進めることで各自のフィールド調査などの機会を設けるよう努め、研究の完遂に努めていきたい。
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