2021 Fiscal Year Annual Research Report
The Thatcher Government as the starting point of Brexit
Project/Area Number |
17K03595
|
Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
池本 大輔 明治学院大学, 法学部, 教授 (40510722)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | ブレグジット / サッチャリズム / グローバル化 / EU / ポピュリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、イギリスのEU離脱(ブレグジット)の政治内在的な説明を提供することを目的としている。具体的には、サッチャー政権期に起きた経済政策の刷新とイギリス政党制の再編成によって各政党の対EU政策が大きく変化したことが、ブレグジットの一因であったと証明することを目指す。 研究方法としては事例研究のアプローチを採用し、EUの単一市場や通貨統合の進展に対して、サッチャー率いる保守党とその他の政党勢力がどのように反応し、欧州統合に対する態度を変化させていったか、その際イギリス政党政治の再編がどのような役割を果たしたのか、特定することを目指す。政府内や政党間・政党内での議論を分析するため、イギリスや大陸ヨーロッパの公文書館で利用可能な一次資料を幅広く活用する。イギリスに関する調査結果は、他のEU加盟国についての比較研究と照合することでベリファイする。 本研究はヨーロッパでの資料収集に依存するため、コロナ禍で現地調査の道が実質的に閉ざされたことで、その進捗に遅れをきたすことになった。令和1年度こそ、ロンドンのナショナル・アーカイブにおいてサッチャー政権期の政府史料の収集を行うことができたが。令和2年度、3年度は全く現地における調査を行うことが出来なかった。そのため、当初の予定と比較して、資料収集に関しては不十分な成果しか挙げられなかったと言わざるを得ない。そこで日本でも入手可能な関連図書・論文の収集分析に努め、現地調査が再び行えるようになった際、迅速に研究を再開できるよう準備を整えている。
|