2019 Fiscal Year Annual Research Report
Re-examining International Organization: Functionalism and Global Governance
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17K03603
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
山田 哲也 南山大学, 総合政策学部, 教授 (00367640)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 国際機構論 / 機能主義 / グローバル・ガバナンス / ミトラニー |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、2018年度分予算が未消化であったこともあり、2019年8月に追加的な資料調査をイギリス公文書館(The National Archives)とロンドン大学政治経済学術院(London School of Economics and Political Science)において実施した。これにより、研究課題に関連する一次資料については、ほぼ収集が完了したと考えている。 研究成果の一部については、山田高敬・西谷真規子編『グローバル・ガバナンスの新展開(仮題)』(ミネルヴァ書房、近刊)において、「国際機構」の章を担当し、その中でグローバル・ガバナンス論の源流としての機能主義について言及した。 他方、校務多忙もあり、機能主義とグローバル・ガバナンス論の関係全体を俯瞰するような総括的な論文執筆には未だ着手できないでいる。これについては、2020年度中の刊行を目指して、執筆の順義に取りかかっている段階である。 本年度の研究・考察を通じての気づきとしては、国際平和構想としての機能主義が、戦間期の国際連盟への期待と失望の双方から産まれてきたのではないか、という点である。すなわち、1930年代に入って、国際連盟が政治・安全保障分野を中心に機能不全に陥っていく中、保健衛生分野といった技術的行政的協力の強化に努め、やがて国際連盟中央経済委員会の設立を提唱するレスター報告書に結実した。このことから、戦間期の国際秩序構想全体の中における機能主義の位置づけについてさらに研究を深めたいということを、今後の研究課題の中心に据えていきたいと考えたところである。
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Research Products
(2 results)