2018 Fiscal Year Research-status Report
Re-examining Security Governance
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17K03605
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
足立 研幾 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (70361300)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | セキュリティ・ガヴァナンス / 非国家主体 / 安全保障 / ミャンマー |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度については、引き続き、事例選定作業を続けるとともに、選定を行った対象国の一つであるミャンマーについて、そのセキュリティ・ガヴァナンスの実態を分析すべく、文献調査、および現地調査を実施した。そうした作業は、ミャンマーのとりわけ安全保障に関する入手可能な文献の収集・精読を行うとともに、ミャンマー専門家である松田正彦(立命館大学)や、ミャンマー・タイの難民問題に詳しい久保忠行(大妻女子大学)、ミャンマー軍に詳しい中西嘉宏(京都大学)などとの意見交換を行うことで進めた。 また、ミャンマーの現地調査を2019年1月28日から、2月4日の日程で実施し、ミャンマーにおけるセキュリティ・ガヴァナンスの実態、少数民族と国軍の関係などについて調査を行った(渡航費は別予算を使用)。 その成果は、「終わら(せ)ない内戦という均衡?-ミャンマーにおけるセキュリティ・ガヴァナンス」と題した研究報告(ワークショップ「紛争社会の安定に向けて―国際社会の論理、地域の現実」、於立命館大学、2019年3月8日)や、「ミャンマーにおけるセキュリティ・ガヴァナンスの変容」『立命館国際研究』第31巻第4号などとして、発表しつつある。 併せて、ミャンマーにおけるセキュリティ・ガヴァナンスを検討するうえで必要となる、東南アジアにおける安全保障を取り巻く状況についても検討・分析を進めた。その成果として、ミャンマー調査に際して、“Human Security in Southeast Asia,”(Dagon University, 2019, January 29)と題した報告を行ったり、「アジアにおける非伝統的安全保障 -概念の構成・伝播・影響」(『アジアの国境なき諸問題 -グローカルな視座からの考察-』、於熊本大学)と題した報告を行ったりした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在のところ、順調に研究は進捗している。常備軍のないコスタリカ、最も長い内戦が継続するミャンマーという、特徴的な、非西欧の事例を取り上げて、それらの国のセキュリティ・ガヴァナンスの実態の調査、分析が実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、平成31年度以降も、さらなる調査対象国の絞り込みを進め、徐々に比較分析も開始していく予定である。
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Causes of Carryover |
元々、平成30年度は調査対象国における海外調査を予定していたが、関連するテーマの別予算を活用してミャンマーに調査に赴くことができたため、その分の予算が節約できた。こうして浮いた予算を活用して、当初平成31年度以降に予定していた、国際学会における報告をめざし応募は行ったものの不採択となった。 平成31年度については、再び海外学会や、国内学会での研究報告を目指し、当初予定よりも多めに申請するとともに、調査対象国の現地調査も、可能であれば1カ国ではなく2カ国で実施するべく、準備を進めている。
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