2019 Fiscal Year Research-status Report
Effects of troop contribution toward peacekeeping: casualty sensitivity and outbreak of coup d'etat
Project/Area Number |
17K03611
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
久保田 徳仁 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 人文社会科学群, 准教授 (00545858)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 平和維持活動 / 犠牲者 / リーダーシップ / 司令官 / 計量分析 / マッチング / データセット |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究助成期間の最終年にあたる2019年度は、研究成果を論文として発表することを目標として論文執筆と数度の研究集会での発表を行った。 本プロジェクト遂行過程で成果として有望なものとして、1、PKOにおける害敵行為(Malicious Acts)による犠牲者を犠牲発生状況ごとにタイプ分けしたデータセットを作成すること、2、PKOの司令官の出身国データと犠牲者の数を合わせて分析することで、PKO司令官が任命されることによって出身国兵の犠牲者数の増減にどのように影響を及ぼすのかを明らかにすること、の2点が上がっていた。 今年度は特に2つ目の点について英語論文を執筆し、日本国際政治学会、計量数理政治研究会、早稲田大学ORIS若手国際シンポジウムで発表を行い、論文に対する貴重なフィードバックを得ることができた。なお、年度末に世界国際関係学会(InternationalStudies Association)においても発表が予定されていた(パネリストとして採択)が、新型コロナウイルスの流行に伴い中止になった(そのため研究助成期間を1年延長した)。 今年度の具体的な研究成果としては、共変量バランシング傾向スコアマッチングを用いた分析の結果「途上国においてはPKO司令官の任命はPKO要員として派遣されている兵士たちの犠牲率を高める」ということが明らかになった。なお、パネルデータの分析として別の方法を用いて頑健性を検証すべきというコメントを受けており、再度調査したうえで論文を完成させる予定となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究作業の核心となる計量分析は予定通り2019年度夏までにいったん終了した。 最終年であるため本来は論文投稿まで完了させたかったが、複数回行った発表でいくつかの重要な改善点が提案されており、現在再分析を行いつつ論文を改訂している。加えて、新型コロナウイルスの世界的流行により、研究集会が中止になったり、勤務校における教育体制の整備などのため、十分な時間が取れなかったためやや遅れることとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
1年延長した研究助成期間を用いて各所からもらった論文原稿に対するコメントを受けての再分析と論文執筆を行う。具体的には、プールデータで分析した共変量バランシング傾向スコアマッチングによる分析に加えてパネルマッチを用いた分析をすること、そして、リーダーシップと犠牲者の発生に関する理論を精緻化すること、といった作業を行う予定である。 なお、データセットの公表も同時に目指しており、2つの論文執筆を同時に進める予定である。研究集会での発表もしつつ、英文校正サービスを使って論文のブラッシュアップを図る予定である。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染症の感染拡大により参加を予定していた国際学会が中止となり、渡航費、滞在費、学会参加費が未使用となった(航空券の手数料分は徴収された)。国際学会への参加は依然として厳しい状況であることから、同一学会への参加は本女性プロジェクトでは行わず、国内学会への参加、および英文校正の費用として使用する予定である。
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Research Products
(5 results)