2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K03612
|
Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
高橋 和宏 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 人文社会科学群, 准教授 (70468726)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 外交史 / 日米関係 / 冷戦 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は第一に、本研究課題である冷戦終結期の日米関係における経済と安全保障の連関の起源を確認するという観点から、1960年代のドル防衛問題をめぐる日米関係について研究をまとめ、単著として刊行した(高橋和宏『ドル防衛と日米関係 高度成長期日本の経済外交 1959~1969年』千倉書房、2018年)。 同書では、高度成長期の日本と米国との関係においては、貿易・金融・軍事支出・経済援助といった諸課題が「ドル防衛」という一つの問題群のなかで相互に連関していたこと、そして「ドル防衛」という課題は沖縄返還交渉や「負担分担論」と結びついていたことを論じた。こうした1960年代に形成されていった経済と安全保障をめぐる日米関係の構造は、冷戦終結期まで継続していったと考えられる。 本年度の第二の研究実績は、外交史料館での外交文書公開の動きを引き続きフォローしつつ、関連文書の調査を行ったことである。同時に、外交文書公開の歴史的経緯についても検討し、日本国際政治学会2018年度研究大会(日本外交史分科会)での報告ペーパーとして公表した(高橋和宏「外交記録公開の進化と戦後日本史研究」、2018年10月)。 なお、当初計画では、ブッシュ大統領図書館(テキサス州カレッジステーション)やIMFアーカイブ(ワシントンDC)、さらには前年度に実施できなかった米国国立公文書館(メリーランド州カレッジパーク)、議会図書館(ワシントンDC)、レーガン大統領図書館(カリフォルニア州シミバレー)など米国での資料調査を予定していたが実施できなかった。これらを含め、米国での資料調査は今後鋭意実施する予定。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
日米関係における経済と安全保障の基本構造の形成に焦点を当てた単著執筆を優先した結果、当初予定していた米国での史料調査を実施できず、本研究課題である冷戦終結期(1980年代)を対象とする研究は当初予定よりも進捗がやや遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
日本側の資料収集はある程度進んでいるものの、米国側の史料調査が遅れているので、事業最終年度において鋭意、史料調査を実施する。また、研究計画の見直しが必要と判断される場合には、期間の延長も検討する。
|
Causes of Carryover |
単著の執筆を優先するなどした結果、米国での史料調査を実施できなかったため。 事業最終年度において鋭意、史料調査を実施する。 また、研究計画の見直しが必要と判断される場合には、期間の延長も検討する。
|
Research Products
(1 results)