2018 Fiscal Year Research-status Report
Limited Attention/Consideration and Revealed Preference
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17K03613
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Research Institution | Otaru University of Commerce |
Principal Investigator |
中島 大輔 小樽商科大学, 商学部, 教授 (60715332)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 行動経済学 / 意思決定理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はこのような「選好最大化と異なるような行動」を経済学のモデルにする「行動意思決定理論」およびその応用を推進してきた。 特に本年度は、望ましい選択肢を採用するには何かを我慢しなければならず意志の力が足りないと我慢ができないため、望ましい選択肢が心理的に選択可能でない」ようなLimited Willpowerに焦点を置いて研究を進めた。 具体的には、消費者の意思の力が限られていてしかもそのことに無自覚である場合、企業は「望ましいがあまり誘惑的でないもの(例.サラダ)」で消費者を引き付け、「望ましくないが誘惑的なもの(例・カツカレー)」で消費者の意志の力をくじき、その「中間のもの(例.カレーライス)」で妥協させることによって利潤を最大化できることを示した。このモデルを拡張して、「意志の力が強い消費者と弱い消費者が混在しているが、企業には見分けがつかない状況」、「自分の意志の力の限界にある程度自覚している消費者がいるような状況」などとより現実的な状況を扱うことにより、実証研究の枠組みに乗せることができるようなモデルに洗練させた論文"Limited Willpower"を完成させ、経済理論分野のトップジャーナルである、Theoretical Economicsに投稿し、2回目のRevise and Resubmitにこぎつけたところである。また、本論文にはその応用例として、そのような消費者が自らのLimited Willpowerに自覚的でない場合にどのように搾取されるかを示した契約問題が付されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
論文"Limited Willpower"を経済理論分野のトップジャーナルである、Theoretical Economicsに投稿し、2回目のRevise and Resubmitにこぎつけたことから当該計画は順調に進んでいると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、論文"Limited Willpower"で挙げられたLimited Willpowerモデルの、くじなどを用いないで公理付けを行い、Limited Willpowerモデルの行動パターンの意義をより明確に特徴づける予定である。
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Causes of Carryover |
本年度は、研究代表者の家庭の都合により学会発表などを共著者に肩代わりしてもらったため、旅費などの使用が少なかったものである。来年度は、共著者に代わり代表者が学会発表などに臨む予定である。
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Research Products
(2 results)