2018 Fiscal Year Research-status Report
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17K03614
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大瀬戸 真次 東北大学, 経済学研究科, 教授 (00278475)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 耐戦略性 / 非分割財 / メカニズム・デザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、貨幣による金銭移転が可能な状況において、非分割財を配分する経済メカニズムの分析を行った。非分割財を必ず誰かに配分しなければならないという状況で、Kato, Ohseto, and Tamura (2015, International Journal of Game Theory)は、耐戦略性・対称性・予算均衡を満たすメカニズムは存在しないという不可能性定理を証明した。一方、非分割財を必ずしも配分しないことを認める一般的な枠組みを考えることにより、Sprumont (2013, Journal of Economic Theory)は、耐戦略性や対称性を満たす新しいメカニズムの集合を設計した。平成30年度の研究では、Sprumontのモデルのように、非分割財を配分しないことを認めるときに、耐戦略性・対称性・補償均等性・予算均衡を満たすメカニズムの集合を特定した。 また、1つの非分割財を必ず誰かに配分しなければならないという状況で、Ohseto (2000, International Journal of Game Theory)は、個人の選好集合が十分に大きな有限集合であるとき、耐戦略性・パレート効率性を満たすメカニズムは存在しないという不可能性定理を証明した。平成30年度の研究では、複数の同質的な非分割財を必ず誰かに配分しなければならないという状況で、耐戦略性・パレート効率性を満たすメカニズムは存在しないという不可能性定理を証明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度は、貨幣による金銭移転が可能な状況において、非分割財を配分する経済メカニズムの分析を行い、次の2点について研究の進展がみられたため。 (1) Sprumont (2013, Journal of Economic Theory)のモデルのように、非分割財を配分しないことを認めるときに、耐戦略性・対称性・補償均等性・予算均衡を満たすメカニズムの集合を特定した。 (2) Ohseto (2000, International Journal of Game Theory)の結論を拡張し、複数の同質的な非分割財を必ず誰かに配分しなければならないという状況で、個人の選好集合が十分に大きな有限集合であるとき、耐戦略性・パレート効率性を満たすメカニズムは存在しないことを証明した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、貨幣による金銭移転が可能な状況において、非分割財を配分する経済メカニズムの分析を行ったが、次の2点について引き続き研究を継続する。 (1) Sprumont (2013, Journal of Economic Theory)のモデルにおいて、耐戦略性・対称性・補償均等性・予算均衡を満たすメカニズムの集合を特定したが、その結果が用いる公理によりどのように変化するのかを分析する。 (2) Ohseto (2000, International Journal of Game Theory)の結論を拡張し、耐戦略性・パレート効率性を満たすメカニズムは存在しないことを証明したが、その際に想定した個人の選好集合の大きさや構造についてより詳細な分析を行う。
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Causes of Carryover |
次年度使用額は、今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額であり、平成31年度請求額とあわせ、平成31年度の研究遂行に使用する予定である。
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