2019 Fiscal Year Research-status Report
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17K03647
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
中井 大介 近畿大学, 経済学部, 教授 (70454634)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 功利主義 / 自由主義 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度においては、本研究の軸となる経済学者・哲学者であり、ジェレミー・ベンサム、ジョン・スチュアート・ミル、およびヘンリー・シジウィックの経済思想および自由主義・パターナリズムとの関係性について、一次文献およびデータベースを用いた資料調査ならびにデータ分析をさらに進展させた。 特に報告者の本務校である近畿大学において、2020年はじめには経済学・社会科学に関するデータベースが新たに導入され(The Making of the Modern World Part 3)、同データベースを用いた19世紀における「パターナリズム」の発現に関するテキストマイニング分析を始動させることが出来た。同データベースのPart IとPartII(本務校に導入済み)とあわせて、19世紀の多様な社会科学文献から、計量的手法を用いて「パターナリズム」や「パターナル・ガバメント」の抽出を行った。2020年度には、これらの分析を引き続き継続する予定である。 また上述の3者のうちシジウィックの自由主義的経済思想のルーツと意義を明らかにする研究を進展・完成させ、その成果として単著英語研究論文「Liberal Aspects of Sidgwick’s Economic Ideas」が2020年7月の『生駒経済論叢』に掲載される予定である。このほかにも、上述のベンサム、ミル、シジウィックの経済思想の変遷に関する英文研究論文を完成させており、現在これを海外英文ジャーナルに投稿中である(査読中)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述のように、本研究の柱となるベンサム、J.S.ミル、およびヘンリー・シジウィックの経済思想および自由主義・パターナリズムとの関係に関する英文研究論文を完成させ、現在海外ジャーナルに投稿中である。またシジウィックの経済思想に関する英文論文を完成させており、同成果は2020年7月に刊行される予定である。また報告者の本務校において、新たにデータベース(The Making of the Modern World Part 3)が利用可能になったことは重要であり、今後テキストマイニングを活用したパターナリズムの計量的調査・分析を進める体制が整った。
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Strategy for Future Research Activity |
上述の内容とも重複するが、現在海外ジャーナルに投稿中の論文を2021年度中に確実に掲載させることを最大の目標としたい。これと同時に、前述のパターナリズムに関するテキストマイニングによる分析を本格的に始動させ、主要な経済思想家の一次文献に関する研究を裏付け・補完する新たな研究手法を導入したい。さらにその成果を英文論文として完成させ海外ジャーナルに投稿する事にしたい。なお2020年にアメリカ・シカゴで開催予定であった国際学会(International Society for Utilitarian Studies)での研究報告がアクセプトされたが、同大会は新型コロナウイルス発生のため、2021年に延期されることになった。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス発生のため、現地資料調査を中止させたため。また同じ理由によって、参加予定の各種学会などが開催中止となったため。
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Research Products
(2 results)