2021 Fiscal Year Research-status Report
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17K03647
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
中井 大介 近畿大学, 経済学部, 教授 (70454634)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | パターナリズム / 功利主義 / ベンサム / ミル |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年の国際功利主義学会(イタリア、ローマ)での報告がアクセプトされていたものの、新型コロナウィルスの流行により2021年に延期された。しかしながら、2021年度も実施困難のために最終的に中止となり、報告を実施する事ができなかった。またイギリス大英図書館およびケンブリッジ大学での概念史研究に関する資料調査を予定していたものの、これらも渡英が困難となり実施する事ができなかった。 他方で功利主義に関する歴史的研究の調査を進展させ、その成果を単著論文「功利主義へのリアクション(1) ―その起源と反発 」『生駒経済論叢』 19(1) 1-15 2021年7月として刊行した。 また書評論文「Samuel Hollander A History of Utilitarian Ethics: Studies in Private Motivation and Distributive Justice, 1700–1875 Abingdon and New York: Routledge, 2019, xxiii + 424 pp.」The History of Economic Thought, 63(2) 63-64 2022年1月を刊行した。 また研究報告として、慶應義塾大学にて「ベンサムの経済思想:J.S.ミルとの比較から」(第4回ミル合同研究会 2021年11月14日)を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前述のように、本概念史研究において、19世紀当時の用法等の現地資料調査が不可欠であるが、新型コロナウィルスの流行によって困難になった事、それらに対する対応等に時間を要することになった事、またアクセプト済みの国際学会での報告が延期・中止となったことなどから、遅れや変更が生じることになった。
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Strategy for Future Research Activity |
状況が可能になれば、当初予定していた現地資料調査を実施する事によって、より精度の高い概念史研究を進行させることにしたい。ただし、もしも状況によってそれが困難であった場合には、一次資料の精査等に軌道修正をしながら、研究を遂行する事にしたい。また現在修正中の英文論文を含めて、研究成果を積極的に公刊していくことにしたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの発生によって、アクセプトされていた国際功利主義学会(イタリア、ローマ)が延期・中止となったため、国際学会での発表を実施する事ができなかった。また新型コロナウィルスの発生により、予定していたイギリスでの現地資料調査が困難となり、渡英を中止せざるをえなかったため。なお2022年度に状況が改善した場合には、あらためて大英図書館及びケンブリッジ大学図書館での現地資料調査を実施する計画である。
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