2022 Fiscal Year Annual Research Report
Transformation of Paternalism in Political Economy
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17K03647
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
中井 大介 近畿大学, 経済学部, 教授 (70454634)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 功利主義 / ヒューム / ベンサム / ピグー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、「パターナリズム(paternalism)」や「功利主義(utility)」の蓄える意味合いが、どのように歴史的に変遷したのか、あるいはそのような変遷がどのように経済思想の歴史的展開と関連しうるのかという問題について、18世紀後半から20世紀前半にかけて活躍した主要な英国経済学者らによる一次文献ならびに各種歴史デジタルアーカイブズにおける実際の用例に注目しながら調査・分析を実施した。その結果、とりわけ19世紀末から20世紀初頭にかけて、パターナリズムがネガティブな意味合いを帯びる一方で、経済学者らは功利主義のアイデアを積極的に理論的展開に援用することになった点等を論文や研究報告等を通じて公刊・発表した。 このようなパターナリズムや功利主義の歴史的変遷に関する研究成果として、「Liberal Aspects of Sidgwick's Economic Ideas」(Ikoma Journal of Economics 2020年7月)、「経済学が功利主義に基礎を置くのはいかなる意味においてか:ヒューム、ベンサム、ピグー」(『経済学史入門:経済学方法論からのアプローチ』久保真・中澤信彦編 昭和堂 2023年4月)を含む論文4点、「Utilitarian Economic Tradition: Bentam and Sidgwick」(The History of Economic Thought Society of Australia 2018年9月)を含む研究報告4件等を通じて公刊・発表した。同期間に概念史に関する訳書1点、経済思想史に関する書評論文3点等を公刊するなどした。その他に英文論文1点(2024年刊行予定)等を今後公刊する予定である。
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Research Products
(4 results)