2019 Fiscal Year Annual Research Report
Consumer and Citizen in Economic Thought Reconstruction of the theory of Japanese Society after the Wold War II
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17K03650
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Research Institution | Okinawa International University |
Principal Investigator |
生垣 琴絵 沖縄国際大学, 経済学部, 講師 (90646093)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 努 北海道大学, 経済学研究院, 教授 (40281779)
丸山 千賀子 金城学院大学, 生活環境学部, 教授 (20324965)
水原 俊博 信州大学, 学術研究院人文科学系, 准教授 (10409542)
根本 志保子 日本大学, 経済学部, 教授 (70385988)
畑山 要介 豊橋技術科学大学, 総合教育院, 講師 (70706655)
伊藤 賢一 群馬大学, 社会情報学部, 教授 (80293497)
神野 由紀 関東学院大学, 人間共生学部, 教授 (80350560)
石塚 千賀子 新潟大学, 人文社会科学系, 特任助教 (70812436)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 消費社会 / 市民社会 / 消費者 / フェアトレード / 産消提携 / ミニマリズム / 倫理的消費 / 消費者教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本プロジェクトは,戦後日本において展開された消費社会論及び消費者運動論が持つ現代的意義を「市民社会の経済思想」の観点から再評価することを目的とし以下の2つの論点について明らかにすることを試みた。 第1の論点「経済思想・学説における市民社会論」については,20世紀初頭のアメリカにおける女性経済学者ヘーゼル・カークの消費経済論が示した倫理的消費の理念・思想を研究の源流としてとして位置付けた上で,消費社会論を市民社会論として再評価する際に見えてくる倫理的観点を見出すことができた。さらに,その観点に着目しながら,K・ソパー,G・サードなど現代の消費社会・消費文化に関する新たな理論の特徴を明らかにした。 第2の論点「消費者運動の精神史構築」については,主に,日本の有機農業運動とそこから派生する産消提携運動の指導的立場にあった一楽照雄の影響を確認することで,相互扶助的な消費者参加型の食料ネットワークの構築が進められたことが明らかになった。このような自由なアソシエーションという形で生産・流通に消費者が積極的に関与していく運動がある一方で,諸外国を含めた消費者運動・消費者組合の展開がそれぞれ独特な特徴を持つことを確認しつつ,日本における消費者運動の動向や実態が明らかになった。また,実際の消費者運動だけでなく,消費社会の実態の理解として,プロシューマーとして台頭する女性たちが生み出す新たな消費文化や消費ミニマリズムの動向なども明らかにした。 以上を取りまとめた本プロジェクトの研究成果は2020年度内に出版される予定である。
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