2018 Fiscal Year Research-status Report
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17K03659
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
田中 克幸 神戸大学, 経済学研究科, 経済学研究科研究員 (80448167)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 特許分析 / 検索技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究成果に関して、研究概要は以下の通りである。
【1.1冊の査読付き学術論文】特許データの利用方法として,各企業が保有する特許情報を利用した企業間の技術の違い(企業間技術距離)の計測があり,正確な距離測定は,テクノロジーやイノベーション分析における重要な要因の1つである.従来の特許データを用いた企業間技術距離の測定方法は対称的距離測定であるが,検索技術の1つである言語モデルによるランキング手法を応用して非対称的距離測定法を開発した.対称・非対称の違いは例えば,2人のフィジカル距離と愛情・友情距離の違いのようなものである.前者は双方同じだが,後者はそれぞれの見方によって異なる.企業それぞれの見方によって独自の距離感覚があると考えられるので非対称的距離測定のほうが正確な距離を表していると考えられる.また情報検索技術により大量データの距離測定も容易になる.
【2.Patentデータの情報検索用DBの構築】特許データはイノベーション分析,M&AやR&D戦略などの分析に用いられるが,膨大なデータ量のため容易に扱うことが容易ではない.データの扱いを簡易化するために情報検索技術を用いて,patent情報のデータベース化を行った.Luceneにより1億件に及ぶpatentとauthor情報をリンクさせたDB構築を行った.この成果によってデータ利用がより簡単になるため,これまでの限定的な分野や業種などにデータ制約された特許分析ではなく,網羅的な分析が行えることに期待できる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.企業間の新たな距離計測方法である,”検索技術を用いた非対称的距離測定方法”を確立することができた. 2.検索技術を用て1億にも及ぶ特許データの検索用DB化が行えた.
検索技術を用いた特許分析のフレームワークが順調に構築されている.
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Strategy for Future Research Activity |
1.特許データの1つであるpublicationやcitationの検索DB化 2.非対称距離測定方法を実データに応用した企業分析・特許データ分析 3.イノベーションspillover分析
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Causes of Carryover |
サーバなどの設備投資費用が変更されたため. 次年度に高性能の計算サーバやDBサーバを購入する予定である.
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Research Products
(1 results)