2018 Fiscal Year Research-status Report
公益法人、社会福祉法人及び学校法人を巡る改革の定量的評価についての研究
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17K03672
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
金子 優子 山形大学, 人文社会科学部, 教授 (30400526)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 公益法人改革 / 社会福祉法人の活動実態 / 学校法人の活動実態 / 改革の評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度に作成した経済センサスと「公益法人に関する概況」の完全照合データを集計してみたところ、社会福祉法人や学校法人の活動状況と有意義な比較分析を行うためには、産業小分類符号を含んだ個票データが必要であることが判明した。そのため、平成30年度には平成24年経済センサス活動調査、平成26年経済センサス基礎調査及び平成28年経済センサス活動調査の統計法第33条に基づく調査票情報の提供申出を行い、各調査の産業小分類符号を含む個票データを入手した。内閣府の公益法人の統計のサイトから平成28年「公益法人に関する概況」の作成に用いられた公益法人の個別データをダウンロードした。 平成24年、26年、28年経済センサスの個票データと平成25年、平成26年、平成28年「公益法人に関する概況」の個別データについて電話番号を用いてコンピュータ上で完全照合作業を行った。コンピュータ上で照合できなかったものについて目視で照合作業を行った。最後にすべての照合データを目視にて確認し、例えば信用金庫と奨学財団が同一場所にあるため電話番号では照合しているものについては、データの削除作業を行った。照合率は、平成24年経済センサス活動調査と平成25年「公益法人に関する概況」については、78.0%、平成26年経済センサス基礎調査と平成26年「公益法人に関する概況」については、79.0%、平成28年経済センサス活動調査と平成28年「公益法人に関する概況」については、75.6%であった。作成した完全照合データを用いて基本的な集計表を作成した。 平成29年度に作成した社会福祉法人の名簿ファイルと学校法人の名簿ファイルを用いて、平成24年、26年、28年経済センサス(24年と28年は活動調査、26年は基礎調査)の個票データから社会福祉法人と学校法人の個票データを抽出する作業に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
公益法人と社会福祉法人及び学校法人との比較分析を行うためには産業小分類符号を含む個票データが必要であることが判明したため、平成29年度に行った作業と同じ作業を平成30年度にも行わざるを得なくなった。平成24、26年、28年経済センサスの個票データからの社会福祉法人と学校法人の個票データの抽出作業では、経済センサスの個票データをみると社会福祉法人と学校法人の支所が本所としても捉えられている状況があったため、コンピュータ上での電話番号による照合では本来不要な支所の個票データまで抽出してしまい、余分なデータを目視で削除する作業が膨大なものとなった。しかし、削除作業には各種の観点からの判断が必要なため作業手順をマニュアル化することができず非常勤職員に担当させることができなかった。したがって研究代表者が自ら実施することとなった。そのため、社会福祉法人と学校法人の個票データの抽出作業が平成30年度中には完了できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度には、平成30年度に完了できなかった平成24、26年、28年経済センサスの個票データからの社会福祉法人と学校法人の個票データの抽出作業を完了させ、基本的な集計を行う。公益法人については、平成30年度に作成した完全照合データから平成24-26-28年に存在している公益法人を内閣府が付与した法人番号により抽出してパネルデータを作成し、集計表を作成する。社会福祉法人と学校法人については、電話番号等を用いて平成24-26-28年に存在している法人を抽出してパネルデータを作成し、集計表を作成する。国際統計協会(ISI)の大会に参加し、行政記録と統計調査のマッチングに関する国際的な動向を把握する。 平成32年度には、研究第三年度に作成するパネルデータから漏れた法人のデータを集計し、公益法人、社会福祉法人、学校法人の新設廃業の状況を明らかにする。これまで作成した集計表を分析し追加集計が必要であればそれを行い、公益法人、社会福祉法人、学校法人を巡る改革がその事業内容、事業規模等や組織形態に与えた影響を評価する。法人類型別の分析を行い、法人類型が法人の活動に及ぼす影響を評価し、今後の非営利法人に係る政策の在り方や方向について考察する。 これらの分析・評価結果について、国際行政学会等の国際学会を含む各種学会で報告し、専門家との意見交換を行う。分析・評価結果を取りまとめた報告書を作成する。
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Causes of Carryover |
理由:研究代表者の病気治療のため、連携研究者、統計作成の専門家等を交えた研究会が開催できず、旅費が使用できなかった。また、集計補助職員が必要人数確保できず、謝金の使用が少額となった。 使用計画:研究会については開催場所と開催時期を吟味して、開催する。集計補助職員を必要数確保するように、所属機関事務局と協議しその確保に努める。各種学会に参加し、研究の途中経過を報告するとともに、マレーシア王国クアラルンプール市にて開催予定の国際統計協会の大会に参加し、行政記録と統計調査のマッチングに関する国際的な動向を把握する。
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