2022 Fiscal Year Annual Research Report
Feedback effect of environment and migration: endogenous skill acquisition and human capital spillovers
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17K03682
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中田 実 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (50372545)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 環境と移民 / 環境汚染 / 内生的技術変化 / 気候変動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,気候変動や環境汚染など環境問題が,途上国と先進国間など所得水準の異なる二国間の移民にどのような影響を与えるか,逆に移民が環境にどのような影響を及ぼすか,環境と移民とのフィードバック効果を分析するものである.熟練労働者の移民に焦点を置き,内生的技能獲得モデルを導入,人的資本のスピルオーバー効果が環境回復力や汚染削減技術に与えうる影響を考慮した理論モデルを,気候変動と環境汚染に関してそれぞれ構築,シミュレーションを行うことを主眼として,これまで分析を行った. 環境問題に関する理論モデルをベースに,これまで構築してきたモデルの洗練化を行うと同時に,詳細な比較静学分析を行った.本分析では,家族での移民問題を扱うが,下記の点が通常の移民モデルと異なる.通常は,労働の担い手である親世代と,教育を受ける子世代は一緒に移民することが想定されているが,本分析では労働は移民前の自国で行い,配偶者と子供のみを主に先進国などの移民先国で扶養しつつ,生活費を自国から移民国宛に送付し,移民国側で,配偶者及び子供が教育その他の公共サービスを受けとる,という新しい移民のスタイルであるサテライトファミリー(衛星家族)に主に焦点をあてた分析を行った.具体的には,衛星家族導出ための数理モデルを構築し,1.通常の移民,2.衛星家族の移民,という2つの均衡が起こりうる条件を検討した.また,比較静学分析を行った結果,2つの均衡が移民に関わる費用の関数として導出するできることが分かった.
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Research Products
(1 results)