2017 Fiscal Year Research-status Report
Financial Inclusion, Remittance Inflows, and Poverty Reduction in Developing Countries
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17K03687
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
井上 武 神戸大学, 国際協力研究科, 准教授 (20450546)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 金融包摂 / 国際送金 / 貧困削減 / 発展途上国 / 開発金融 / 金融発展 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度は、研究課題について、①統計データと文献の収集、②論文原稿の執筆、そして③研究成果の発表を行った。①統計データと文献の収集については、現在進めている、戦後日本の郵便金融を通じた金融包摂に関するデータを得るために、東京の国立国会図書館において『郵政統計年報』を始めとする文献を検索し、必要なデータを収集した。さらに、これらを分析のために用いるためのデータベースを構築した。②論文原稿の執筆については、予てより執筆を進めていた本研究課題に関する論文「金融発展と国際送金の貧困削減効果に関する実証研究」が査読付き英文ジャーナル(Journal of Economics and Business)に採択され、12月にオンライン出版された。また、本研究課題に関する複数の論文を収蔵した英文書籍の出版に向けて、原稿の執筆を進めた。この書籍は本研究課題の終了年度までに出版される予定である。③研究成果の発表については、本研究課題と関連性の高い、金融包摂の貧困削減効果に関する実証研究について、中国でのワークショップ(5月)、シンガポールでの学会(8月)、そしてオーストラリアでの学会(1月)で報告を行った。ワークショップや学会では報告内容に対して対論者やフロアーから有益なコメントが寄せられるとともに、他の研究者による最新の研究結果に触れることで、本研究課題について新たなアイディアを得ることができた。こうしたコメントやアイディアを踏まえて改訂した論文原稿は5月に査読付き英文ジャーナルに採択され、近々掲載予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
統計データの入手とデータベースの整備はほぼ完了し、論文原稿の執筆は予定通り進んでおり、暫定的な研究成果の報告についても3件海外で実施した。他方、研究対象地域での状況の変化(インド郵政の決済銀行の本格始動が行われなかったこと)から、当初計画していたインド現地調査は2017年度は見送った。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度は、前半に金融包摂における銀行部門の役割についてインドで現地調査を行う。また後半には、最終年度に本研究課題に関する英文書籍の出版に向けて、論文原稿の執筆を進める。
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