2018 Fiscal Year Research-status Report
Financial Inclusion, Remittance Inflows, and Poverty Reduction in Developing Countries
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17K03687
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
井上 武 神戸大学, 国際協力研究科, 准教授 (20450546)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 金融包摂 / 国際送金 / 貧困削減 / 発展途上国 / 開発金融 / 金融発展 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、研究課題について、①現地調査、②論文原稿の執筆、③研究成果の発表を行った。①現地調査については、インドにおける金融包摂の進捗と新たな動きについて情報を収集するために、2019年2月に4泊5日でデリーを訪れ、データを収集し、関連機関を訪問した。インドでは従来、店舗網の拡大を通じて遠隔地における金融包摂の進展が図られてきたが、今回の現地調査を通じて、政府はモバイルバンキングを通じた金融包摂の推進にも力を入れていることを確認した。②論文原稿の執筆については、金融包摂と国際送金の貧困削減効果に関する研究について6編の論文からなる英文書籍の刊行に向けた作業を行った。昨年度、出版社との出版契約を結び、今年度は原稿執筆と校正を行い、2019年4月に「Financial Inclusion, Remittance Inflows, and Poverty Reduction in Developing Countries」というタイトルで出版される予定である。さらに、インドにおける金融包摂の歴史と貧困削減効果について研究した和書についても出版に向けて原稿の執筆と出版社との調整を進めている。③研究成果の発表については、2018年9月に一般財団法人ゆうちょ財団主催の成果報告会にて「郵便ネットワークの金融包摂効果に関する研究」という論題で報告を行った。戦後日本の郵便に関するデータを用いて実証的に金融包摂の進展と所得格差に対する効果について分析した研究はこれまで行われていないため、その点で新しい研究となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
昨年度実施できなかったインドでの現地調査を行った。原稿執筆について英文書籍については出版される目途がついた。さらに、和文書籍についても原稿執筆は終了し、最終年度は出版社との調整を残すのみとなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、前半に和文書籍について出版社と出版契約を締結し、出版に向けた準備を行う。また、後半にはモバイルバンキングを通じた金融包摂について原稿を執筆し、年度末までに研究報告を行う。
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Causes of Carryover |
2018年度は科研の使用金額が少なく設定されていたこと、そして1年限りの民間助成が採択されたことから、科研の使用額は当初計画を下回った。2019年度は最終年度であり、成果普及として国際学会での報告を予定している。
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