2021 Fiscal Year Research-status Report
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17K03696
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
浦西 秀司 大阪市立大学, 大学院経済学研究科, 教授 (80362820)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水谷 文俊 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (60263365)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 民営化 / 競争 / 郵便 / 生産性 / 実証分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題ではエネルギー・交通・通信産業における加盟各国の規制状況をOECDが取りまとめたものであるETCR (Regulation in Energy, Transport and Communications)データをもとに、構造分離政策が市場に与える影響について計量分析を行うことを目標としている。本年度は通信分野である郵便事業について、日本の郵便事業を対象として経営形態および市場競争が生産性に与える影響に関する計量分析に取り組んでいる。先行研究であるMizutani and Uranishi (2003)をもとに、変数の見直しや、1999年~2020年までのデータを追加するなどを行い、全要素生産性の要因分解に関するパイロットテストを行った結果、1)民営化および市場競争は郵便局にとって費用を引き上げる要因になっていること、2)全期間(1972年~2020年)でのTFP平均年成長率は郵便局および民間平均ともにプラスであるが、民間平均のほうが大幅に増加していること、3)期間を2007年以降に限定した場合、それぞれTFP平均年成長率はマイナスであるが、郵便局のほうが減少幅が少ないことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画において、本年度はパイロットモデルの推定結果を踏まえた最終的な計量モデルの構築・推定及び政策分析を行う予定であった。しかしながら、新型コロナウイルス感染拡大に影響により、国内・国際学会の中止・延期のみならず、共同研究者との研究打ち合わせの機会が大幅に制限されるなどにより研究計画通りに遂行することが困難であると思われたため、当初計画から制約下においても一定の進捗が見込まれる郵便事業を対象とした分析に変更することとした。今年度はパイロットテストの結果を学会報告している。
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Strategy for Future Research Activity |
郵便事業を対象とした分析について、モデルの精緻化およびデータの検証を引き続き行い、分析結果を論文として取りまとめ、国内学会での報告を目指すとともに、次期申請課題としての発展可能性について検討を行う。
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Causes of Carryover |
国内・国際学会のオンライン開催のみならず、共同研究者との研究打ち合わせの機会が大幅に制限されるなどにより当初予定していた研究計画が大幅に遅延することとなったため。次年度に学会開催および研究打ち合わせが再開された際の出張旅費、および研究に必要な物品購入に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)